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「お前はどんな気持ちでここに来たん?」


「どんなって…だから、錦戸さんに来いって言われたから、来ただけ。本当にそれだけなんだよ」


大倉くんの、何もかもを見透かされているような茶色い瞳。
あの頃の私はその瞳に、一分一秒でも長く映りたいと思っていた。
だけど今は、逃げ出したい気持ちでいっぱいになってしまう。


「お前変わっとらんのな」

「どういう意味?」

「人の言葉に合わせて、頷いてばっかりで」

「っ、」

「それが1番楽やもんな。なんも考えんで済むし」

「…なんで、そうやって嫌なことばっかり言うの?」


怒りなのか、悲しさなのか
自分でも分からない震えが、声になって口からこぼれる。


「嫌って感じるのは図星だからやろ」


それでも大倉くんは容赦しない。
まっすぐに、真正面から
私が1番突かれたくない部分を暴いて引きずり出してくる。



「…大倉くんはさ、変わったよね。すごい変わっちゃったよ。そんな人じゃなかったじゃん」


「……」

「皮肉屋だったけど、こんな不快になるような嫌味は言わなかった。売れたから、人間性そんなんになっちゃったの?これだから芸能人って嫌なんだよ。ほんとがっかり」


こんなの嫌なのに。
こんなこと言いたくないのに。
それでも私の口は頭の中とは裏腹にすらすらと彼をどうやって傷つけようか、どうやったら1番傷つくかを選んでる。




だけど、目の前の彼はそんな私の言葉に
まったく、怒りもしなければ悲しがりもせず
傷ついてもいなかった。


「だから、前から言ってるやん。俺はもう昔の俺やないって」

顔色を一つも変えず、淡々と大倉くんは言う。

「それに、昔の俺もそんないい人間やなかったし。お前は昔の俺に幻想抱いてただけ」

「幻想…」

「思い出って、年月が経てば経つほど美化されるもんなんよ。今は過去やない。過去の俺はもうどこにもいない」


ガチャリ、扉が開いた音がした。
見ると錦戸亮が立っていた。


「…どしたん?」


私と大倉くんを交互に見ながら
錦戸亮は険しい顔をして、呟いた。


大倉くんはソファーからゆっくりと立ち上がる。



「亮ちゃん、貸してた充電器ってどこにある?」

「あー、マネージャーに持たせとる」

「おけ、貰っとくわ」


何事もなかったかのように、普通に会話するその声が
思考停止した頭に響く。

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設定キーワード:関ジャニ∞ , 大倉忠義 , 錦戸亮   
作品ジャンル:恋愛
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あくび(プロフ) - ゆらさん» ありがとうございます!とっても嬉しいです。これからも面白いと思ってもらえるよう、頑張って更新しますので是非、結末がどうなるか見届けてください(^^) (11月2日 23時) (レス) id: 780a2f1a45 (このIDを非表示/違反報告)
ゆら(プロフ) - この話が本当に面白くて毎日の日課です^^これからも更新楽しみにしています!!私的には大倉くんで結末があるほうがさらに楽しみです(^^) (11月2日 20時) (レス) id: cc42456779 (このIDを非表示/違反報告)
あくび(プロフ) - megumonkeyさん» はじめまして、とても嬉しいお言葉ありがとうございます(TT)結末は決まっていて、それに向かってチマチマと書いているので、是非これからも更新楽しみにしていてください。 (10月30日 22時) (レス) id: 780a2f1a45 (このIDを非表示/違反報告)
megumonkey(プロフ) - はじめまして。ステキなお話で楽しみに読んでます。大倉くんと錦戸くん、どちらとくっついてしまうのかドキドキで、更新が楽しみです (10月30日 10時) (レス) id: fa40db60d7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あくび | 作成日時:2020年10月27日 22時

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