はつ恋は実らない。2 (ページ28)

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もやもやと、じわじわと、目覚める感情。

この気持ちはもう絶対に引き出すことはないと思っていたのに。

新しい気持ちを孕んで、胸の内に戻ろうとしている。

優しく、安心感をくれる康二くん。

苦しいのに、離れることを許してくれない目黒。

心の中に二つの気持ちが混同して、自分でも上手く整理できない。

この気持ちの、名前が見つからない。

すやすやと眠る康二くんと、目黒の顔を交互に見たあと、目を閉じてうずくまる。

神様は意地悪だ。

誰も傷つかない選択肢はいつも与えてくれない。

ふと、ひとつの疑問が頭をよぎる。

このままで、いいの？

自問自答、ってやつだ。

いいに決まってる。

私は康二くんの彼女なんだから。

きちんと康二くんのことを好きになったんだから。

何も悩む必要なんて、あるはずがない。

なのに、喉の奥のほうがつっかえて気持ち悪い。

『だめだよ、出てきちゃ。』

口に出そうになった名前のない気持ちをぐっと押し込んで、眠る二人を静かに見守った。

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