▶マッドスマイル (ページ19)

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笑顔が18こページ19

ak「今はお一人ですか？」

『そうやでー。添加物ちゃんも一緒にお茶する？』

呑気にお茶を啜りながら添加物に尋ねてくる。
1人なのは好都合。ここでカッターで自傷行為し、叫ぶことで他の幹部が駆けつけ、Aが傷つけてきたことにすれば、Aの好感度は下がるだろう。
そう思い、ポケットからカッターを出し思い切り刺す。直前にぎゅっと目を瞑り、来たる痛みに耐えようとするも、その痛みはやってこない。

『添加物ちゃん、知ってる？カッターで腕を傷つけると痛いんやで？』

カッターの手を持ちながら、微笑んでくるのはA。Aの力は凄く、腕を動かそうにもびくとも動かない。

ak「あ……っ」

これは予想外。傷つける前に制されてはこの後どう弁解してよいのか見当がつかない。
汗をダラダラとかく添加物を他所に、Aはいつも通りのテンションで話を続ける。

『あ、もしかしてなんかやるつもりやった？何したかったん？』

予想外の出来事と、あまりにもAが純粋に聞いてくるため添加物は茫然と答える。

ak「あ、えっと……。Aさんに腕を……傷つけられて……それで……他の幹部の人、たちに、心配を……」

しどろもどろになりながらも言葉を紡ぐ添加物。本人はもはやネタバレしていることにも気づいていないほどには、気が動転していた。
そんなこととは知らずに、Aは笑顔で「そうやったんや！わかった！」というと、そのまま添加物の手を引っ張り、走り出す。
添加物は足がもつれそうになりながらも、されるがまま走った。

少し走ると、Aは手を振りながら声をかける。

『シッマー！！！ちょっと見て！』

kn「ん？どうしたんや、そんなに走って」

廊下を歩いていたコネシマは立ち止まり、腕を組みながら聞いてくる。

『あんな、ちょっとそこで見ててな？添加物ちゃんいくで？せーの！！』

Aは無邪気な笑顔で添加物が持っていたカッターを手に取り、反対の手で添加物の腕をしっかりと支え、添加物の手首にカッターで勢いよく切り込みを入れる。
当然のことながら、傷ついた箇所からは新鮮な血液がドバドバと溢れ出てき、それと共鳴するかのように壮絶な痛みが添加物を襲う。