自覚 ページ10
あっという間にライブが終わって椅子に座ってぼーっとしていた
すると綾は私の肩を叩いてにやぁっとした顔をしながら
綾「どうだった？初めてのお笑いライブは」
「凄かった！面白かった!!ドキドキしたしなんかクラッシック見に行った時よりも面白かったよ」
綾「A、これとクラッシック比べちゃ駄目だぜ」
「そうなの？でも面白いし迫力も凄いし皆歌も上手だしハマる理由もなんかわかる気がするな」
綾「でしょでしょ！しかもこれから忘れてはいけないお見送りがあるんだから！」
「お見送り！」
綾「この高級壁クリア席にのみに許されたこのライブに出ていた芸人さんたちが見送ってくれるの」
「じゃ、じゃあ！ひ、東ブクロさんもいるかな？」
そう言うと綾は考えたような顔になった
綾「うーん？どうなんだろ、東ブクロさんは帰るのがめちゃくちゃ早いってので有名だから
もしかしたらもう帰ってるかもしれないし、って泣きそうな顔をするなよ！」
どうやら私は泣きそうな顔をしていたらしい
「だってせっかく会えたのに会えないなんて悲しいよ」
綾「これは、ねぇA」
「ぐすっ、なあに」
綾「Aはさ、東ブクロさんに対してどう思ったの？」
「えっ？どうって東ブクロさんを見た瞬間に凄く心臓が痛くなって目が合った瞬間にもっと痛くて
張り裂けそうになるぐらいにドキドキして苦しくなったって感じかな？」
頭を抱えたと思ったら急に私の肩をガシッと掴むと今まで一番真面目な顔になったと思ったら
綾「いいA、私は一回しか言わないからよく聞いてよね」
「う、うん」
綾「そのAの心臓が痛くなってドキドキしたとか苦しくなったとかは
今までなったことはあるの？その男性を見て」
「だって今まで男性って言ったら先生とかお父さんとか親戚とか患者さんしかいないし
そんなドキドキしたことは一回もないかも、でも憧れの人に会えた時はドキドキしたかな？
でも、東ブクロさんを見た時みたいに心臓が痛くなるぐらいはドキドキしなかったかも」
綾「..完全にあれだな((ボソッ」
「なに？もう肩が痛いし早く言ってよ」
綾「わかったから」
そう言うと綾は深呼吸をして
綾「今から言うからAも驚かないでよね」
「もうそんなにもったいぶられたら驚かないよ」
周りでは私たち以外の席の誘導の放送が流れだしてざわざわしたその一瞬静かになった時
綾「それはね『恋』って言うのよ」
それだけははっきり聞こえた
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作者名：リンさん | 作成日時：2022年10月30日 23時
