悲劇のジュリエット症候群

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何がなんだかわからない。
え……ほんとにこんなことってあるの？？
浮気って映画とかドラマの中だけだと思ってた…




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謙ちゃんと付き合い始めたのは一年前。私たちが大学一年生だった時。





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「あ、待って……！」







あー、そう言えばあの日も沢村教授にレポートを出しに行こうと渡り廊下を渡っていた時だった。
後ろから謙信に声をかけられ足を止める。





「これ、落としましたよ」




と言って目の前の謙信が差し出したのは私が好きなアーティストのライナーノーツ。




「あ〜〜、有難う御座います！！」



第一印象はそうだなぁ。うん、爆イケ青年だったなあ。



「俺もこのアーティスト好きなんですよね〜〜」


「え、ほんとに！？？」




それから……、趣味が合うとかで少し話して、それから学校で会うとまた話したり…そうして連絡先を交換して3回目のご飯に誘われた時に告白されて無事ゴールイン…………じゃなかった……。







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謙ちゃんは自分の事より私の事で本当に優しかった。
私もそんな謙ちゃんが大好きだったし、少なくとも謙ちゃんも私を愛していてくれたはず。最後に愛し合ったのはいつだったっけ…、1か月前…？






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そんなことばかり考えて、気づけば行きつけの居酒屋に足を運んでいた。
やっぱりこういう時は取り敢えず忘れられなくても呑むのが1番…なはず。

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