朝顔に包まれて【一期一振】 (ページ32)

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三十二、ページ32

足音で目を覚ました。
枕元に置かれた目覚まし時計を見ると、午前2時。
いわゆる丑三つ時……と呼んでもいい時間帯だ。深夜だ。
こんな夜遅くに、誰？
短刀の誰かが、トイレに起きてきたり……
いや、大抵は自らの兄に頼むだろう。

「一期一振です」

意外な名前に驚いた。
微睡んだ目を無理矢理起こして、「入っていいよ」と告げる。
そっと障子を開けてきたのは、やはり一期だった。

「どうしたの」
「こんな時間に申し訳ありません。弟たちがもうすぐ夜戦から帰りそうですので……」
「んん？結構遅かったね」
「いきなり私の元に連絡が入ったので驚きました。同じところを何度もうろうろとしてしまったらしく……」
「へえ、珍しいなあ、堀川もいるのに」
「主殿の元に連絡をしていなかったそうなので、伝えに来ました」
「そりゃあご苦労様。ところでさ一期」
「はい」

目をこすって、一期に告げる。

「今日、誰も夜戦に出てないよ」