朝顔に包まれて【一期一振】 (ページ25)

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二十五、ページ25

私が首をかしげると、鶴丸殿は触れていた朝顔から手を離した。
それから、当たり前のようにこう口にする。

「きみ、大阪城で記憶が落ちてるだろう。幸せな記憶とかも。だからお前の成り立ちを聞いた時から、少しは幸せになってほしいなあ……と思ったり思わなかったり」
「どっちなんですか」
「きみと主はきっとベストカップルになれる！と、俺は信じて手助けしてやってるのさ」

まあ、前のきみは手伝うまでもなくゴールしていたが……と鶴丸殿は懐かしむようにため息をついた。
かれこれ300年くらいの付き合いになるのだ、彼とは。
そんな彼の思いに、私もしっかり応えようと思った。

「……朝顔に、します」
「ん？」
「朝顔で、主の言霊を塗り替えます」
「……ん、いいんじゃないか。ま、頑張れよ」

ぽん、と肩に手をおかれた。
私は、思わずくすりと笑った。
彼も同様にして。