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十七、 ページ17
『一期が、突然私を呼び出した。何事だろうと行くと、はっきりと、この間の告白の返事をしてくれた。いや、告白とはいえないものだったけど、彼は、誠実に、真っ直ぐに答えてくれた。私が一期を好きだと言うことを受け止めてくれたのだ。あんなことをしたのに、なんて優しいんだろう。静かに、静かにかわしたあの口づけが忘れられない。今日は遅い。もう寝よう』
「……歌仙、俺はもう読むのがしんどい。ひとりで読んでくれ」
「しまいにはそれか。どうせ、君ひとりで片付けをしたところで、続きが気になるとまた戻ってくるだろう」
「む……それもそうだ。気が進まんが……読もう」
本当にしんどい。こんな調子が続くのか、いや、本当に無理だ、助けてくれ。
……と思ったが、勿論言わない。意を決して先を読んだ。いくつかの項目を得て(怪しいものはなかった)、また見つけた。
それは、先ほどの内容よりも酷く字が乱れていて、誤字も相当あった。難しい漢字を何一つ使っていなかった。それほど、切羽詰まった状況だった。
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作者名：ひな丸 | 作成日時：2016年6月6日 22時
