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この不毛な気持ちを、1年間ずっと抱えてきた。
彼との約束を抱えて。
「空、綺麗だなあ」
「……そうですかね」
「そう見えない？オレンジと紫が程よく混ざってて、俺は好き」
「……オレンジと、紫、は好きじゃないです」
「……なに、まだ引きずってるの？やだなあ、俺だって忘れようとしてたのに」
オレンジと紫は、及川さんがずっと宿敵としてきたライバルの色だから。
結局、及川さんはあのふたりに勝つことなんて出来なかったんだな、と今更実感している。
「Aちゃんは無愛想だよね。そのくせ俺が好きと見た」
「……そんなんじゃないです」
「いいやそんなんだね。俺の目は鋭いよ」
むすっ、と不満そうな顔をすると、及川さんはにへら、と笑った。
……そう言えば。
「及川さんは、進路どうするんですか」
「俺？そうだなあ、やっぱ東北院大学。バレーの強豪だしね」
「……どこまでも、バレーが好きですね」
「何を今さら。Aちゃんだって知ってるでしょ？」
「……っす」
「可愛くないね返事が」
「……はい」
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作者名：ひな丸 | 作成日時：2016年4月29日 0時
