【文スト】 名探偵ノ恋事情 【江戸川乱歩】

恋事情 21 ページ25

「だから、敬語禁止、」

『えっ、ちょっ、待ってください、

どうして私が乱歩さんの言うこと聞かなければいけないんですか、』

今朝のこともあり、

少しむきになりながら質問する。

「だって、昨日

一日ひとつ僕の命令聞くって言ったじゃん、」

『………？』

そう言われてみれば

そうばだった気も……

そうじゃなかった気も……する。……が、

『いやっ、でも、敬語禁止って

私どうやって話せばいいんですが、』

「ほら、また使った、」

『でも、本当にそんなことしたら、

私、一言も喋れなくなるじゃないですか、』

私がそう言うと、乱歩さんは、少し不機嫌そうな顔をした。

「あーもー、しょうがないな、じゃあ、敬語は別にいい」

やった!

「その代わり、さん付けは禁止ね、」

ん？

先刻より、大変になってはいないか？

「あっ、そうそう

もし、命令破ったらお仕置きね、」

Oh……

なすすべが無いじゃないか、


こうして私は、

殆ど強制的に、乱歩さんを呼び捨てで呼ばなければいけなくなった。

恋事情 22→←恋事情 20

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す