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第3話 ページ9

「如月君、起きてください。朝食の準備が出来たので、着替えが終わったら下におりて来てください」

「……わかりました」

ふと目を開けると、そこにはスーツ姿の久遠さんがいた。
「もう朝になったんだ」と心の中で呟く。昨晩は気絶するように就寝したから寝た気がしなかった。
いつの間にか朝になっていた感じだ。

「それでは行きましょうか」

「はい」

朝食を食べた僕たちは、学校へと向かい、僕は久遠さんと分かれ、自分の教室へと足を運んだ。

「ねぇ、聞いた?吸血鬼が出たって話」

「その話知ってる!なんでも、うちの生徒が被害に遭ったとか……」

朝の教室はクラスの人たちがあちらこちらで会話をしていた。
僕は自分の机の横にスクール鞄をかけ、イスに座ると同時に隣の席の友人に挨拶を交わす。

「冬夜、おはよう」

「あぁ、Aか。おはよう」

彼は神崎冬夜。黒髪に高身長、成績は常に上位。
女子からの人気も高く、絵に描いたような完璧な人。

僕の中学時代からの親友。基本的には声のトーンは一定で、いつも気だるそうにしている。
そんな冬夜の正体は実は人間ではなく、吸血鬼。

僕が冬夜を信頼しているのにはいくつかの理由があった。
それは冬夜が人間と共存を望む共存派の吸血鬼だから。
むやみに人を襲うことはなく、むしろクラスメイト達とまるで本物の人間のように分け隔てなく遊んでいる。

そんな冬夜には、僕が親の仇の犯人を捜していることを話している。
その話をしたときに、冬夜は僕と一緒に親の仇を探し出すと言ってくれた。
そのため冬夜は、吸血鬼ハンターの仕事の際には僕と行動を共にしている。

「今日は普段より騒がしいけど、何かあったの?」

「Aは今来たばかりだから知らないかもしれないが、出たらしいぜ」

「……!」

冬夜の一言で僕は察した、吸血鬼がどこかに現れたということを。
僕は「彼」だと思い、席を立った。

「A、落ち着けよ。まだお前の親を殺した犯人って決まったわけじゃない。それに……一時間目がもうすぐ始まる」

「……わかった」

冬夜にそう言われ、僕は冷静になり、再びイスに座った。

“何をそんなに焦っているのだろう”と理性に戻った僕はそう思っていた。
確かに冬夜に言うとおり、僕の親の仇だと決まったわけじゃない。

それよりも今は授業に集中しよう。
学生の本分は勉強、会長をしている僕がそれを忘れてはいけない。

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設定タグ:吸血鬼 , オリジナル , 男主   
作品ジャンル:SF
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柊黒炎(プロフ) - ユーンさん» ユーンさん、返事が遅くなりましたが応援コメントありがとうございます。更新速度はかなり遅いですが、自分のペースで頑張っていこうと思っていますので最後まで応援よろしくお願いします。 (2017年11月20日 23時) (レス) id: efc399b360 (このIDを非表示/違反報告)
ユーン - 吸血鬼ハンター………かっこよすぎる〜〜〜〜〜!!\(=>д<=)/これからも頑張ってください!! (2017年10月23日 21時) (レス) id: f77b1d313c (このIDを非表示/違反報告)
柊黒炎(プロフ) - すずはver.アニヲタさん» 応援コメントありがとうございます。とても励みになります!更新は不定期にはなりますが、応援よろしくお願いいたします。 (2017年10月9日 17時) (レス) id: 0630f0c510 (このIDを非表示/違反報告)
すずはver.アニヲタ - かっこえぇぇぇ!! 続きがきになるぅぅぅ! (2017年10月9日 15時) (レス) id: 72db204b8d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:柊黒炎 | 作成日時:2017年9月17日 0時

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