マネージャー 無表情 なぜ。[WEST]

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重岡side





ベンチに座って自販機の前に立つ平ちゃんを横目で見つめる。




何を言われるんやろか。
まず、俺はさっきの言葉の意味を理解してへん。

いくら考えたって、自分の親の命を奪った奴に「良かった」なんて言う意味がわからへん。



もっと軽蔑されて、罵られたってええはずなのに。







『お茶でいいですか？』



差し出されたペットボトルを貰ってお礼を言う。













沈黙を破ったのは、平ちゃんやった。













『ずっと、考えてました。あの時私は、子供だったとはいえ、酷い態度を取ってしまった。

子供の態度なんて気にしていないかもしれないけど、もし、あの時の私の行動で、この事を気に病んでいたら……。人の人生を壊していたかもしれない、そう思ってたんです。

だから、あの男の子が重岡さんって分かって、正直安心しました。2年ぐらい一緒に仕事をして、貴方の笑顔は本物だってことを私は知ってたから。


母も、きっと喜んでいると思います。自分が助けた子が、ジャニーズになって、沢山の人を笑顔にしているのだから。

私は、母の件は誰も悪くないと思っています。今になって、そう思えるようになりました。

だから、重岡さん、貴方にはこれからも笑顔でい続けてほしい。』












気づけば、涙が溢れとった。

平ちゃんの「良かった」って言葉にはこんなに思いが詰まっとった。

やっぱり、すごい優しい人やった。

でも、気になることが1つ。、












重「……その、さ。平ちゃんが無表情なんは、お母さんと関係あるん……？」







平ちゃんは、人の人生を壊してしまっとらんかったか。そう思っとったと言った。










もし、あの日から平ちゃんが無表情になったんなら、それは俺が平ちゃんの人生を壊してもうた事になる。














『…それは、全く関係ないですね。』



重「……そか。良く……はあらへんけど、ちょっと、安心した。」













俺は弱虫やから、人の人生台無しにした、なんて知ってもうたら、立ち直れへんと思う。









でも、ちゃうかった。



じゃあなんで無表情なんや、とも思ったけど、ここで理由言わんてことは、まだ、話せへんのやろ。


























平ちゃんから話してくれはるまで、ずっと待っとるから。





やから、いつかは平ちゃんの抱えてる重たいもん、俺らにも運ばせてや？

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