６川上さんと…？ ページ6
「伊沢さん、すんません」
今、俺の状況は……というと、ソファにどかっと座っている編集長の前に正座をさせられている。言うまでもない、幼女誘拐の罪である。
「はあ、何事かと思って心配したじゃねえか！返せよ〜、俺の時間〜」
幼女誘拐の罪とは言ったが、一時的に保護したと言えばどうにかなるだろうと彼は云う。
ソファの上で蹲り、ウソ泣きをしている編集長に、あほらしという目線を送って彼女を見遣る。
彼女はというと部屋の隅っこで熊を抱えて座り込んでいた。
「キミ、ひとりぐらしじゃないんだね」
「ちゃうけど、まあええわ」
「このひと、だれ」
「この人はなぁ、すごい人」
「すごいひと？へんな、なまえだね」
「おおい、川上ぃ！！何勝手に変な風に教えてんだよ！！俺、伊沢！編集長だろぉぉおぉ」
「……」
「ちょ、黙らんでよ。俺が辛い」
「ごめんね。ぼく、こんなかんじょうのうきしずみがはげしいひと、はじめてみたから」
「そうか、なんかごめんな」
「へいき」
興味がなくなったのか、熊と向かい合って鼻をくっつけ合ったり、抱きしめ合ったりを繰り返している彼女。
対する伊沢さんは、どんよりとしている。体育座りをして、「の」の字を書いている。そう、あの漫画とかでよくあるやつだ。
「はあ、めんどい」
思わず、心の声が漏れてしまうも、両者聞き耳は立ててなかったようなのでセーフ。
「……川上、このあとどーすんの」
「何も考えてないです...」
「はあ？お前、何も考えてないの？……警察に連れてってやればいいんじゃね？」
「話聞いてました？」
「聞いてたさ。聞いていたけどよ、俺達ができることってそんなねぇんじゃねぇの？」
「まあ、そうかもしれませんけど……」
「ま、俺はお前がやりたいようにやればいいと思うけどな」
「何ですか、いきなり……」
「いざとなったら助けてやるよ。それまで好きにすりゃあいい。それに、施設の年長者に助けてもらったんなら、外に逃げれたのは、この子だけじゃねぇと思うよ？」
「つまり、」
「一度、警察に行った方がいいと俺は思ってる」
「……」
「この子だけじゃねぇんだよ。その施設には何十人もの子供たちがいる。この子一人助けたからって、救われるわけじゃねえ。そのことは、川上。お前もわかってんだろ」
どんな結果に転ぶとしても、このままこの子を家に置くことは犯罪。だから、一度警察の元へ行って指示を仰げ、そう伊沢さんは言っているのだ。
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瑞西（シャラルー☆）(プロフ) - ゆのさん» わわ…っ、ありがとうございます！確かに、主人公ちゃんは可愛らしい（真顔）素敵なパワーをいただけたので、さらに良いものを提供できるよう頑張ります(*´▽｀*) (2019年12月25日 18時) (
レス) id: 705dc09b7e (このIDを非表示/違反報告)
ゆの(プロフ) - 主人公が可愛くて、お話も素敵で、情報の管理もしっかりされていてすごいと思います！お話楽しみに待っているので、作者さんのペースで頑張ってください！応援しています(p｀･ω･´q) (2019年12月25日 9時) (レス) id: 6ede61fc28 (このIDを非表示/違反報告)
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