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『 …だいきくんとともくんがどうかしたんですか? 』




中々本題に入ってくれんから、こっちから聞き返してみると、はっと思い出したように喋りだす大橋さん。


二人の名前を出したら、のんちゃんも気になったみたいで、スピーカーにして大橋さんの話を聞くことにした




〈 二人なんですけど、全然ご飯食べてくれんくて 〉

『 …えっ 』

〈 一応口にはしてるんですけど、食欲ないみたいなんです 〉

『 …それは、どうして 』

〈 環境が変わったことも影響してると思うんですけど、恐らく、今までロクに食べさしてもらえんかったことが1番の原因やと思ってるんです 〉

『 …なるほど。 』




二人の様子がおかしいことは十分に伝わってきた。


……でも、なんでうちに電話くれたんやろ。




〈 …そこで、お願いがあるんですけど 〉

『 お願い? 』

〈 …実は、養育里親っていう制度があって、実親の元で暮らせるようになるまでの間にはなりますが、要保護児童を育ててもらう制度なんです 〉

『 …養育、里親 』

〈 はい。期間はまちまちなので、長い場合は成人まで委託を続けてもらうこともできるんです。 〉

『 … 』

〈 警察の方から、二人がAさんにすごく懐いてたって聞いて、Aさんに養育里親をお願いできないかなって思いまして。 〉

『 …でも、私独身ですし、今住んでる所もシェアハウスで、 』

〈 独身の方でも大丈夫です!!

それに、シェアハウス最高じゃないですか!! 〉




“ シェアハウスなら、たくさんの大人と関わる機会が増えるし、一人暮らしより良いと思います!!! ”

なんて、元気よく伝えてくださる大橋さんに、うちとのんちゃんは顔を見合わせ大きく頷く。




『 ……大橋さん 』

〈 …??はい!! 〉

『 それ、どこに行けばいいんですか? 』

〈 ……え!!もしかして、引き受けてくださるんですか?! 〉

『 …よろしくお願いします!! 』

〈 …!!よっしゃあ!!丈くんOKもらえたでぇ!! 〉




大橋さんのそんな声のあと、遠くから “ ええからはよ案内せえ!! ” なんて言葉が聞こえてきて。


恐らく耳と尻尾が垂れ下がっているであろう大橋さんに場所の説明を受け、うちとのんちゃんは急いで車で出発した。




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作者名:こちゅん | 作成日時:2022年6月11日 19時

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