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「 大毅くーん?お迎え来たでー? 」
赤「 …、 」
『 すみません、朝から機嫌悪くて、 』
迎えに行っても尚、機嫌が悪くてムスッとした顔の大毅。
笑顔が素敵な大晴先生も、今日ばっかりは困り顔。
「 今日ともくんおらんからですよね? 」
『 多分そうやと思います、 』
「 お熱でしたよね、お大事になさってください 」
『 ホンマすみません、ありがとうございます 』
大晴先生に挨拶してから、うちを置いて外に出て行ってもうた大毅を追いかける。
…ほんま、ともの存在って偉大やな
『 だーいき、自転車乗るで 』
赤「 …ん、 」
『 よいしょ、 』
赤「 A、…ともは? 」
『 とも?ともはな、お熱でしんどいから照史と病院行ってるで 』
赤「 おねつ、 」
うちの言葉を復唱する大毅の頭をそっと撫でて、大毅にヘルメットを被せてうちも自転車に乗る。
自転車乗る機会なんてともがおったらないから、めっちゃ寂しそうな表情の大毅。
赤「 とも、いつ元気になる? 」
『 んー、せやなあ、病院でお薬はもらえるやろうから、近いうちに元気になると思うで 』
赤「 明日は?いっしょによーちえん行ける? 」
『 明日なあ、明日は難しいかもしらん、 』
赤「 …そっかあ 」
どんどん声が小さくなっていく大毅に、うちの心もズキズキと痛む。
…しゃあない、照史に怒られるかもしらんけど、今日ばっかりは大目に見てな、
『 なあ、大毅 』
赤「 …なあに? 」
『 寄り道、せえへん? 』
赤「 よりみち? 」
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作者名:こちゅん | 作成日時:2022年6月11日 19時