怪盗さんとの恋物語 (ページ22)

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それから、今見せてもらったものの他に掛け軸などを見せてもらったり、その掛け軸を龍馬展終了後に次郎吉さんの鑑定家にも見せてもらえることになったり……

普通にしてれば何も思わないけど、ふとした瞬間に怪しい一面が現れる華村さんと樽見さん。

「ねえ、ここの展示物にすっごい保険金かけてたりしないの？」

「儂もそう思って調べてみたが、雀の涙ほどしか掛けておらんかったわい！

入場料も安いし、あれじゃあ盗られたら大損のはずなんじゃが… 」

「それでおじ様！どんな手でいくの？
何か用意してるんでしょ？キッド対策！」

『確かに私も気になります！』

「それがのォ… 」

もしなにかあったら快斗に伝えないといけないし、念の為聞いといた方がいいよね。

…まあ、快斗がどこかで盗聴してたら別だけど。

そう思いつつも、しっかり記憶しておこうと次郎吉さんの話に耳を傾けた……んだけど。

「ウソ？！ほとんど何もしてないの？！」

「ああ…何かを盗みに来るのなら、それを阻む手立てを考えるんじゃが、返しに来るっていうのは止めようがなくてのォ…

3品とも懐に忍ばせやすい小さな物じゃしな…あのスペースを作るだけで精一杯じゃったわい」

そう言って次郎吉さんが指す方を見ると、“ 怪盗キッドお宝返却予定地 ” と書かれた看板が立ててあり、なおかつそれを紐で囲っただけのスペースが作ってあった。

……なんか切ない。

「せめてやって来る日時がわかっていれば、手の打ちようもあるんじゃがのォ… 」

「え？予告状にいつ来るか書いてなかったの？」

次郎吉さんに向けた園子の質問に答えたのは、どこからともなく現れた青子パパ──中森警部で。

「ああそうだ！キッドの予告状に日時、もしくはそれを匂わす文章が書いてなかった事は一度もないのにな… 」

「な、中森警部！！」

『 ……げ。』

「ん？…おおAちゃん！
最近、青子がAちゃんが夜ご飯食べに来てくれないからって嘆いてたぞ笑」

『あ、青子パパ……あー、母が迷惑だろうから遠慮しときなさいって言うので行けてなくて』

「そうだったのか。
ウチは全然迷惑じゃないからいつでもおいで」

『あ、はい！またお邪魔させてもらいますね』

中森警部とは、怪盗キッドのことがあるからあんまり話したくないんだよね。

……いつ私がボロを出しちゃうかわからないし。

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