そこはご都合主義 ページ41
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「 一応俺らも自己紹介すると、俺はあの野菜嫌いな福良拳です 」
「 僕は不可侵条約結んだ河村です 」
「 漢字の知識を褒めてもらった山本です! 」
「 仮面ライダーにまんまと釣られたこうちゃんですっ!……あ、渡辺です 」
「 この前助けてもらった須貝でーす 」
「 関西弁が可愛いらしい川上です 」
彼らに自己紹介をされ、よくよく観察してみる。
確かに、眼鏡だったり金髪だったり黒子だったり八重歯だったり、共通する要素は沢山ある。なんなら面影も少しあるような……ないような?
だからってそれを信じられるほどおめでたい頭はしてない。
普通即警察に通報してそうなこの状況で大人しく自己紹介を聞いている私を誰か褒めてほしい。
「 ……そんなファンタジー的な展開ある? 」
「 そもそも小人自体ファンタジーだろ 」
「 待ってそれ言われたらなんも言えん 」
やばい。この鋭いツッコミを入れてくる感じも、須貝くんそっくりだ。
というか、見た目的に彼の方が年上に見えるのだけど……?
「 因みに、君ら何歳? 」
「 はい。俺26 」
「 俺25です 」
「 僕が24 」
「 俺は23ですね 」
「 俺は素数の29! 」
「 俺は27〜 」
「 福良と同じく 」
いっぺんに言われるとこんがらがる。
えーっとまず、最年少がこーちゃんで23歳……で須貝くんが……29?!はっ?!私より四歳も年上?!そんな人を私は『 須貝くん 』なんて呼んでいたのか?!取り敢えず死んで良い?!?
それにあんな可愛いな〜って思ってた伊沢くんも一歳年上だし!川上くんに至っては同い年?!
あ、こーちゃんと山本くんは年下なのね。なんか安心した。
「 ……取り敢えず、事情を聞こうか 」
「 あ、通報しないんですね 」
「 なに、してほしかったの 」
「 なわけないでしょ!ただ、俺らのこと信じてくれるんだなって 」
こーちゃんの言うとおり、正直、まだ信用しきれていない部分はある。
……が、見れば見るほど、彼らがあの小さな小人達に重なってしまうのだ。
突き放したくても放せないと言うか、母性本能というか……まぁ、そんな感じだよ。
「 まだ100%は信用してないよ。てか仮に大きくなったとして、服どしたの君ら 」
「 なんか、でかくなったら着てました 」
うわ〜これが巷で有名なご都合主義〜〜〜!!!
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作者名:朝田 | 作成日時:2020年12月29日 18時