破壊者様のお人形に転生したらしいです。

４：不運、それに尽きる ページ5

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……………歩き始めた、筈だった。


「――あァ？ テェメ、何処かラ湧き出てきヤがttタ？」

不運＿＿その一言に尽きる。
突然ポータルから現れた人物は、正に今会いたくない人物なのだら。


とっさに顔を伏せて、この焦り顔を隠す。
ヤバイヤバイ……どうしよう。鉢合わせるなんて聞いてないぞ。




…………こんな時でも“推し様カッコイイ!!”“生の推しや!!”“お顔を拝みたい!!”
なんてオタク前回の思考が過ぎる私を殴ってやりたい。






「……オイ、答エろよ」
何も返答が無いからか、声色は少し苛立ちを含んでいる。

『っ……へ、変な水たまりみたいのに入って……それで、気付いたらこの白い空間にきちゃってて……』


もちろん真っ赤な嘘だ。
でも、気付いたらここに居たって言うのは事実だし、あながち間違ってはない。

信じて貰えたのか「あァ...」と、察したような曖昧な声を出す。
大方、auの守護者様(インク)がポータルの後処理をせずに迷い込んだのだと勘違いしてくれた……はず。






「…………ア？
待てよ。俺の作ッたたケープをなンでお前が着テんダ？」


ビク、その問いに体は大きく反応した。
…いいや、こんなの上手く言い訳すれば納得される。


ボロは出すなよ、私……。



『人肌が恋しくなっからです。
……何もない空間に一人では、心細かったので。』

「……フーン。そkかよ。」



半信半疑感はあるけれど、受け流してもらえただけマシ。
よし、なんとか上手く事が進んでる!……




「まァ、元の世界ニ帰しテyやルよ。」


『！……ありがとうございます！』


このまま平和なauに連れてって！
後は孤児院でも自由に行くから。





「…あ、そうだ。」
もう一つポータルを開こうとするエラーは、
思い出したかのようにこちらを向く。


……なんだ？









「お前が着てルケープ、k返せ。」








予想外の回答に、ぱちくりと瞬きをした。


焦りのあまり早くなる鼓動を抑えながら、深呼吸をする。





『か、返す必要はあるのですか？……』

落ち着け、私。
焦りを見せたら怪しまれる、おしまいだ。



「お気に入りの奴に着せる予定ダったかrらな。
っテか、そモmそも俺ノだ。返しテもらワないとk困る。」

『っそ、れは、少し無理です……』


落ち着け、落ち着け。お願いだから。




焦ってもいいことなんてなに一つ無い。

球体人形のはずなのに、手にはじんわり汗が出てくる。
本当、可笑しなことばかりだ。

５：必要なのは行動力→←３：せめて記憶喪失なら、まだ気楽なんだけどな

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