木曜日の幸せ�� ページ4
私は家庭を持つことを望んでいる。
一緒に暮らしたい、本心はそう願うけれど、既婚者である彼と結ばれたとしたら、幸せな未来はない。そして家庭を壊すのは、プライドが許さない。
略奪愛――その結末のほとんどが悲劇だ。
相手の家庭を壊した分、自分に返ってくる。
幸せになる人も居るけれど、それは恐らく相手の家庭が既に崩壊している場合。
平凡な愛でいい。こんな隠さなければいけない愛ではなく、周りに胸を張れる愛が欲しい。
そんな願いから、家庭を感じさせない彼に、もしかしたら未婚かも、という期待をしてしまう。
「終止符を打つべきだよね。」
重いため息を落としたすぐ後に、彼がリビングに入ってきた。
「上がったよ。Aもシャワー浴びておいで。」
「はい、入ってきます。」
脱衣所で服を脱いで浴室に入ると、以前私のために買ってくれた女物のシャンプーとリンスがある。
無防備に置いておいてもいいのか、といつも疑問に思う。
もし奥さんが来て、君のために買ったと言い訳しても、女の特有の鋭さで、他の女が使っていると分かるだろう。
でも私だって女だ。だから何となく分かる。これは自分だけが使っている。
きっとずっと置きっぱなしで、彼が毎回隠すなんてことはしていない。
そして奥さんはこの家自体、来たことがなさそう。
「おいで。」
ベッドに座る彼の手に、自分の手を重ねる。
ぐっと引かれ、彼の隣に座らせられる。
優しく唇が触れたのを合図に、手が私の腰に回され、角度を変え何度もキスが降ってくる。
徐々に深くなり、彼のもう片方の手が後頭部をぐっと押し、さらに深くなる。
舌が絡みとられ、ちゅぅっと何度も吸われる。
歯列をなぞられると、ぞくぞくとした感覚が背筋を走り、体が一気に熱を帯びる。
彼がそっと口を離すと、艶めかしい銀色の糸が二人を繋いでいた。
力が抜けてとろんとしていると、指を絡めて両手を握られ、そのままベッドに押し倒される。
体温が重なり、幸せを感じる。
その熱が、指が、体が、優しさを伝えてくれる。
「A、こっち向いて。」
切なく潤んだ視線が重なる。
「愛してる。」
信じていいですか。
「私も、愛してます。」
もう少しだけ溺れさせて下さい。
もう少しだけ――この幸せを許してください。
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megumi(プロフ) - いなすらさん» ありがとうございます！ご期待に沿えるよう、頑張って執筆します(^^) (2019年5月22日 18時) (
レス) id: 04e98a2c19 (このIDを非表示/違反報告)
いなすら(プロフ) - めぐみさん» 誤字でしたか(笑)大丈夫ですよ！続き楽しみにしております((｡´･ω･)｡´_ _))ﾍﾟｺﾘﾝ (2019年5月22日 17時) (レス) id: 4bc43cc691 (このIDを非表示/違反報告)
めぐみ(プロフ) - いなすらさん» いなすらさん、ご指摘ありがとうございます！誤字です、申し訳ありません。すぐに訂正いたしますm(__)m (2019年5月22日 17時) (レス) id: a2b7118433 (このIDを非表示/違反報告)
いなすら(プロフ) - 作品名、幸せだからいになっていますが、誤字でしょうか？意図的なものではないと思いますが、そうだったらすみませんm(*_ _)m (2019年5月22日 15時) (レス) id: 4bc43cc691 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：megumi | 作成日時：2019年5月21日 5時
