過ちの予感 ページ24
「すみません、相談に乗ってくれませんか？」
「え？」
反射的に声が出た。
どういうことだ、今日会ったばかりの俺になぜ相談なんだ、理解できない。
広樹さんの奥さんということは歳も離れているだろうし、接点なんて広樹さんだけだ。その唯一の接点ですら濃いものではないのに。
思っていることが顔に出ていたのか、奥さんはクスッと笑った。
「また連絡します。広瀬隆くん。」
その表情は悪戯好きの子供のようでもあり、妖艶な大人のようでもあり、二面性をもったミステリアスなものであった。
自分の胸が大きく脈打つのを感じた。名前を呼ばれたことで、顔に熱が集まった気がして、思春期の男子でもないのにと情けなくなった。
不思議に思ったことがポロリと口から出る。
「なんで名前……連絡先まで」
だが彼女は何も答えず唇に人差し指を立てた後、スカートを翻して広樹さんのもとに帰っていった。
その姿はどこか哀し気な空気を纏っていた。
俺は話した時の笑顔よりも、その辛そうな表情の方に惹かれた。その理由は分からなかった。
ふと広樹さんの方を見やると、こちらも見ていなければ、隣にいる恵美さんの方も見ていなかった。
別に夫婦で見つめ合う必要もないとは思うのだが、何故か気になった。
最初は仲睦まじい夫婦だと感じていたのに、今となっては違和感しかない。恵美さんは笑っていても、広樹さんは彼女に対して一度も笑わないのだ。
それから気になっていたが、見れば見るほど違和感が募るばかりだった。
実家から自宅に戻った翌日、早速彼女から連絡が来た。
メールの送り主が恵美さんと分かった瞬間にまた胸の高鳴りを感じた。
内容はいたって簡単で、今度会える日時を教えて下さい、ということだった。だが、返事してから俺は気付いた。
「会うつってもどこに住んでるか分かんねぇじゃん。」
するとすぐに返事が来た。
『じゃあ、○○カフェに14持でいいですか？』
それは最寄り駅のカフェだった。
何で俺の住所を知っているのか、彼女の家もこの近くなのか、そのどちらも聞けずにただ承諾の言葉だけを返した。
そしてその日を心待ちにする自分に気付いた。
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megumi(プロフ) - いなすらさん» ありがとうございます！ご期待に沿えるよう、頑張って執筆します(^^) (2019年5月22日 18時) (
レス) id: 04e98a2c19 (このIDを非表示/違反報告)
いなすら(プロフ) - めぐみさん» 誤字でしたか(笑)大丈夫ですよ！続き楽しみにしております((｡´･ω･)｡´_ _))ﾍﾟｺﾘﾝ (2019年5月22日 17時) (レス) id: 4bc43cc691 (このIDを非表示/違反報告)
めぐみ(プロフ) - いなすらさん» いなすらさん、ご指摘ありがとうございます！誤字です、申し訳ありません。すぐに訂正いたしますm(__)m (2019年5月22日 17時) (レス) id: a2b7118433 (このIDを非表示/違反報告)
いなすら(プロフ) - 作品名、幸せだからいになっていますが、誤字でしょうか？意図的なものではないと思いますが、そうだったらすみませんm(*_ _)m (2019年5月22日 15時) (レス) id: 4bc43cc691 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：megumi | 作成日時：2019年5月21日 5時
