過ちの気配 ページ23
-隆side-
「めんどくせぇ」
俺の頭はその言葉で占められていて、帰省を楽しむとか故郷を懐かしむとかそんな気持ちは全くと言っていいほど無かった。
田舎の実家では、この時代でもまだ全ての法事を親戚を招いて律儀に行っている。
都会や他県へ出ている者は流石に毎回は参加しない。俺は親戚と関わるのが面倒なので、帰省率は一番悪い。お盆も年末年始も毎回は帰らない。
そんな中で彼女に出会ったのは必然と言っても過言ではない。
その人は広樹さんの隣に並んでいた。
再従兄である広樹さんとは一回り歳が離れていたが、従兄弟同士の親の仲が良かったこともあり、接点が多かった。彼は地元の大学進み、俺が小学生の頃までは遊んでもらうこともあったが、彼が大学院に入った頃から急に接点が減った。その後は他県の会社に就職したようで、俺も大学から他県に出た。
大学2年の時、彼が結婚したと知らされた。
式は行われなかったし、帰省した際に二度程広樹さんに会ったがその隣に奥さんはいなかったため、その人のことは知らなかった。
就職して2年目、今日久しぶりに帰省した俺はその人を初めて見た。
広樹さんに手を引かれて玄関の土間から上がる姿、その人の全てが美しいと思った。
外見だけではなく内面から放たれる輝きがそこにあった。
儚げな瞳とは裏腹に、その佇まいや雰囲気には凛とした芯が一本通っていて強さを感じる。その姿に妙に惹かれた。これは恋愛感情ではないと思ったが、彼女から視線がはがせなかった。
そうしている内に俺の視線に気付かれたのか目が合ってしまい、一瞬にして顔が気恥ずかしさに染まった。
軽く会釈され、同じように返すと、彼女はそのままこちらに歩を進めてきた。その歩き方は堂々として大人の余裕を纏っており、俺の幼さが露呈されるような感覚に陥った。
「こんにちは。朝倉広樹の妻の恵美と申します。夫がいつもお世話になっております。」
丁寧な言葉遣いとそれによく似合う上品な笑顔により、俺の体に電撃が走った。
さらにそれに追い打ちをかけるように彼女は俺に近づいて、他には聞こえないくらいの小声で囁いた。
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megumi(プロフ) - いなすらさん» ありがとうございます！ご期待に沿えるよう、頑張って執筆します(^^) (2019年5月22日 18時) (
レス) id: 04e98a2c19 (このIDを非表示/違反報告)
いなすら(プロフ) - めぐみさん» 誤字でしたか(笑)大丈夫ですよ！続き楽しみにしております((｡´･ω･)｡´_ _))ﾍﾟｺﾘﾝ (2019年5月22日 17時) (レス) id: 4bc43cc691 (このIDを非表示/違反報告)
めぐみ(プロフ) - いなすらさん» いなすらさん、ご指摘ありがとうございます！誤字です、申し訳ありません。すぐに訂正いたしますm(__)m (2019年5月22日 17時) (レス) id: a2b7118433 (このIDを非表示/違反報告)
いなすら(プロフ) - 作品名、幸せだからいになっていますが、誤字でしょうか？意図的なものではないと思いますが、そうだったらすみませんm(*_ _)m (2019年5月22日 15時) (レス) id: 4bc43cc691 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：megumi | 作成日時：2019年5月21日 5時
