脅し ページ7
粧は余計なこと言いやがって、そんな顔で猪野の顔を見て舌打ちをした
猪野が肩をすくめる
ズカズカと粧の部屋へと入っていく夏油
粧は慌てて後ろを追いかけた
そして、部屋を見渡す
散らかった部屋、空き容器、請求書
夏「ひどい生活だね」
粧は最悪といった顔で目を手で覆った
そんな粧に夏油が封筒を差し出す
「なにこれ」
夏「採用通知」
「……は?」
夏「補助監督」
「は?!」
粧は目をギョッとさせ封筒の中身を見る
夏「採用おめでとう」
「でも、なんで?私何も…」
夏「猪野君に頼まれててね、勝手に履歴書を出したんだ
君は絶対自分で書かないだろうし」
粧はいい終わる前に封筒を押し返した
「返す」
夏「君が返さなきゃいけないのは借金だろう
それにもう無理だよ、出勤は明日から
拒否権はなし」
「……………」
夏「こなかったら私が勝手に借金全部払うからね
そうなったらAには…そうだな
______女を売ってもらうしかないね」
猪「げ、夏油さんそれは…」
流石の粧もドン引きしたのか
コイツ正気かよ、そんな顔で夏油を見上げる
「はっ…振込先も知らないくせに何言ってんだか…」
粧はすぐに口の片側だけを一瞬引き攣らせ夏油を嘲笑しながら、手にある採用通知を適当にソファへと投げた
しばらく無言が続く
粧はテーブルを見て、違和感に気づいた
すぐに夏油の方へ振り返れば、その手には督促状
粧は慌てて夏油から督促状を奪い返そうとする
ヒョイッ
しかし、それは粧の手の届かない場所へ
夏「ふーん、⚪︎⚪︎銀行か…」
「ちょっと!!」
カシャッ
夏油はその督促状の振込先を写メった
そしてヒラリと粧の手に渡った督促状
夏油は自分のスマホを粧にヒラヒラと見せびらかしながら口を開いた
夏「明日、来なかったら、分かるよね?」
粧はそう言う夏油の顔を無言で見つめ、泣きそうな顔で立ち尽くす
夏「猪野君、業者を呼んだから荷物は任せなさい
Aの方は、猪野君に任せるからね」
猪「は、はい!」
猪野は夏油を、流石だ…やっぱ違うなぁ〜とキラキラした瞳で見つめる
夏「じゃ、A、明日待ってるからね♡」
バタン
ドアが閉まった瞬間
「……はぁぁぁぁ……」
大きなため息を吐きながらそのまま全身を預けるように机に顔を伏せた
そして…ガンッ!!
テーブルを拳で叩き、その上をモゾモゾと悶え始めた
「むり……」
狭い散らかった部屋に小さく、絶望した声が漏れた
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 200人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:はなり | 作成日時:2026年3月14日 11時


お気に入り作者に追加

