エピローグ 〜頑張れ粧ちゃん〜 ページ50
「初めて、あんな怒鳴られた……」
猪野は椅子に腰掛けながら言う
猪「お前いつも怒鳴られてね?」
その言葉に粧は、眉間に皺を寄せて初めて猪野の顔を見た
「夏油さんに怒鳴られるとなんか違うの…」
下瞼をピクピクしながら、少し泣きそうな顔で口を尖らせた
「いつも五条先生にガチギレされてたのを、夏油先生が宥めてくれてたのに…その夏油先生に、今日初めて怒鳴られた…」
不貞腐れた子供のように話す
猪「あの人をガチギレさせた話が気になりすぎて、前に進めねえんだけど…」
まぁ、と猪野は肩をすくめる
猪「あの人が言うことはごもっともだろうな、滅多に怒んねえし」
その言葉を聞いた瞬間
粧の唇が尖った、眉も下がる
完全にしょんぼりした顔だ
そして、小さく呟いた
「……私にも味方してよ」
猪野は困ったように少し笑う
猪「まぁ、謝ったのは偉い」
粧は深くため息を吐いた
「はぁ…」
それから、力なくテーブルの脚を軽く蹴る
「働くっていいことない…」
猪野は苦笑した
猪「まだ四日目だろ」
その言葉に、粧は椅子の背もたれにだらんともたれかかり天井を見上げた
「…まだ四日しか経ってないの〜?」
顔を顰める
「もうやだ…」
猪野が呆れた声を出す
猪「つか、家で仕事の話はしないんだろ」
粧は両肘をテーブルにつき、両手で顔を覆い、そのまま唸る
「ぁあ〜っ」
猪野は眉を顰めた
猪「たく、飯が不味くなんだろ」
粧は何も言わない
手で顔を覆ったまま、ぐったりしている
虎杖とはちゃんと和解できた
でも、そんなことはもう頭の中にほとんど残っていない
今の粧にとって一番大きいのは、夏油に怒鳴られたこと
それが、かなり効いているようだった
猪野はその様子を見て、ふっと笑う
そして、こっそりスマホを取り出しカメラを向ける
テーブルに突っ伏して、顔を覆ってうなっている粧
カシャ
そのままスマホを操作して、ある人物に送信した
メッセージを添える
【夏油さんに怒られたの、かなり効いてるみたいッス】
送信完了
猪野は何事もなかったようにスマホをポケットにしまった
そして、粧を見て言う
猪「ほら」
箸を差し出す
猪「冷めるぞ」
項垂れる粧A、補助監督としての生活はまだ始まったばかり
頑張れ粧A
物憂気な補助監督は今日も頑張る1 完
沢山の閲覧、高評価、お気に入りありがとうございました☺︎
続編もよろしくお願いします☺︎
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作者名:はなり | 作成日時:2026年3月14日 11時


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