【呪術廻戦】彼女が闇堕ちする前に【五条悟】 (ページ7)

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忘れたい過去ページ7

私に家族はいない

物心ついた時には既に両親はいなくて

大好きなお兄ちゃんが私を育ててくれた

７歳の時、遅くなってでも

必ず家に帰ってきてくれたお兄ちゃんが

初めて帰ってこなかった

代わりに家に来たのは養護施設の人だった

お寺のような神社のような場所に

一度、連れて行ってもらったのを思い出した私は

兄がそこにいる気がして施設の人に頼み、会いに行った

お寺の門をくぐると背の高いサングラスの男の人に声をかけられた

『ガキンチョがここに何のようだよ』

『・・・おにいちゃんをさがしてるの』

『兄ちゃん？お前、名前は？』

『A』

『みょーじは？』

『あまや』

『・・・暖の妹か

連れてってやる』

背の高い男の人は祠が沢山ある道へ連れて行ってくれた

その祠が沢山ある道の奥には小屋のような蔵があった

その道の先にお兄ちゃんはいた

図体のでかいサングラスをかけた人に連れられて

その時、私がみたお兄ちゃんの顔は絶望的で・・・

悲しそうだった

『お兄ちゃん！お兄ちゃん！』

『？！・・A？！

お前・・何でここに・・・っ！

・・悟か・・・？』

『ちげーよ、施設の奴等だ』

『お兄ちゃんどうしたの？

どうして帰ってこないの？

Aこれからどうなるの？

寂しいよ』

『・・・・ッごめんなぁ

兄ちゃん暫くお家帰ってこれないんだ

だからな、兄ちゃんが帰ってくるまで

お前は、他所の家でいい子に暮らすんだ』

『どうして・・？』

『兄ちゃんヒーローだから！

その為の強化合宿的な！って、お前にはまだわかんないか

大丈夫・・絶対すぐ帰ってくるから』

『・・・うん・・ッ』

『泣くなぁッ・・ほら！

お前は笑ってた方が可愛いんだから

８歳の誕生日には絶対迎えに行く、な？

だから・・・・待ってろ』

『・・・・待ってる・・ッずっと待ってるッ』

『じゃあ・・・な』

お兄ちゃんは最後に私の頭を撫でた

待ってるなんて大泣きしながら言ったものの

何故だか私は、もう二度と会えない気がして

蔵の中へと向かう兄を追いかけた

『やだ・・・！！

やっぱ行かないで・・待ってぇ・・！

お兄ちゃぁぁぁあああん！

行かないでぇええぇぇぇ！』

施設の人に抱えられただ・・兄の方へ手を伸ばした

「・・・・うそつき」

忘れたくても思い出す

そんな思い出をあざ笑うように呟き

玄関の鏡でリップを塗り仕事に向かう

１８時２０分

渋谷・ハチ公前待ち合わせ