【呪術廻戦】彼女が闇堕ちする前に【五条悟】 (ページ50)

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遠い記憶ページ50

______Aだけはどこにも行くな

先生の言葉で思い出す遠い記憶

『ママとパパってどこにいるの？』

『天国だよ』

『お兄ちゃんもいつか天国に行っちゃうの？』

『お前を一人にしたまま行かなさいさ』

『本当？お兄ちゃんはどこにも行かない？

来年の誕生日も一緒にいてくれる？』

『当たり前だろ、約束だ

ほら、早く願い事してロウソク消せよ

お前の大好物のショートケーキいつまでたっても食えないぞ』

『うん！

お兄ちゃんとずっと一緒にいれますように！

ふぅ～！！』

『ハハッ7歳の誕生日おめでとう、A』

そんな記憶を思い出し

涙は滝のように溢れだす

ただ先生がゆっくりと頭を撫でてくれるのを感じながら大泣きした

その時

眩ゆい光が放ち、恐ろしかった姿のお兄ちゃんの怨霊が現れ、青い鷹のような、孔雀のようななんとも言えない美しい鳥に変わった

五「A…！

________解呪したみたいだよ」

解呪…？

そして青い鳥の中からお兄ちゃんが現れた

『A、生きろ』

声を聞いてすぐに先生から離れてお兄ちゃんの元へ抱きついた

触れる…ッ

触れる…ッ

____お兄ちゃんがいる

『ごめんな…嘘ついて…

約束守れなくて…お前の事を呪って…

お前にこんな辛い思いさせて

…兄ちゃん失格だ』

色んな感情が入り混じり

言葉が出ずにただ首を横に振る

『お前に分かってほしかったんだ…

約束を破りたかったんじゃない

帰りたかったけど、無理だった…

それをわかって欲しくて

俺が出来る方法で知らせたかった

なのに、その結果がお前を痛めつけて苦しめたな』

そう言ってそっと夢の中でつけられた腕の傷に触れられる

『A、頼むから生きてくれ

これが、兄ちゃんの最期の願い

お前には報われてほしい

呪術師になって本当の罪人を探してくれ

そして、呪術界を変えてくれ

そうすれば俺だけじゃなく学長も悟も傑も硝子も報われる

お前には呪術界に来てほしくなかったけど…

悟がいるなら安心だな

お前は強い

もう兄ちゃんがいなくても立派な呪術師になるよ』

「…やだ…やだ…っ！待って！

またどこかに行っちゃうの？！

置いていかないで…もう一人にしないで…！

私一人置いて行かないって言ったじゃん！」

泣き喚いていると、優しい声で名前を呼ばれた

暖『A』

「…っな…に…」

暖『お前はもう一人じゃない』

お兄ちゃんは私の頬に手を添えて微笑んだ

暖『悟、頼んだよ』

第一章完結