焦り ページ48
五条side
Aが帰ってこない
もう23時を過ぎている
未成年なら補導される時間なのに
適当に帰るって…いつ帰ってくんだよ
少しイライラしながらAに電話をかけようとするとちょうど高専専用の電話が鳴った
伊地知が出てすぐに勝手にスピーカーにする
「●▲警察署ですが
東京都立呪術高等専門学校の電話でお間違いないですか？」
伊「はい」
「●▲橋でじさつしようと身を乗り出している女子高生がいると通報を受けまして…今は無事に保護したのですが…全く質問にも答えてくれなくて…学生証確認したところ御宅の生徒さんなんですよ…
名前は雨夜Aって書いてあります」
伊「えっ、ええ？！」
は…？じさつってどういう事だよ…
何してんだよ…
最近様子が変だとは思ってたけど…
五「チッ」
伊「五条さん？！」
上着を羽織り、机に置いてあるサングラスをかけ速攻高専を出た
警察署に着き急いで中へ入り、事情を説明すれば
ブランケットを羽織り虚ろな目でボーッとするAの姿を見つけた
警「保護者の方ですか？」
五「いや、あの子の担任なんだけど…
身寄りがないのでこのまま僕が引き取りに来ました」
警「分かりました
ではこちらにサインだけお願いします
それから…彼女の荷物からこれが…」
書類と、Aが持っていたものを渡される
煙草とライターだ
書類にサインをし、Aにチラリと目をやれば、未だにボーッとしている
今は責める気になれないな
五「わかりました…預かっておきます
行くよ、愛梨奈」
声はちゃんと聞こえているか
名前を呼べば、何も言わずにふらりと立ち上がって僕の後ろに着いてきた
聞きたい事が山程ある
何から聞こうか考えている内に沈黙が走っていたが
それを破ったのはAだった
「先生…………」
五「何？」
「私…呪術師になるの辞める」
五「………………は？」
Aが呪術界に足を踏み入れてから
まだ2ヶ月しか立っていない
あんなに頑張っていたのに、何故いきなり？
それに、呪術師になるのを辞めるって事は…
''本人が呪術高専に入学する事を拒んだら秘匿死刑とする''
彼女はそれを分かってて言ってるのか？
____何の冗談？
そう聞こうとした
しかし、そう聞く前にAが再び口を開いた
「…お兄ちゃん…本当は…
_____処刑されたんでしょ？」
時間が止まった気がした
何故…知ってる…？
最近、様子が可笑しかったのは
それを知ってたせいか…？
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作者名：はなり | 作成日時：2021年2月26日 12時
