【呪術廻戦】彼女が闇堕ちする前に【五条悟】 (ページ46)

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苦しいページ46

はらりと煙草が下の湖に落ちた

走行車の騒音も私の耳には届かなくて

事実を聞いた時、時間が止まった気がした

知りたくなかった

こんな事実

夏「さて、君はこれからどうする？

今の話を聞いても…呪術師を続けるかい？」

私は何の為に呪術師になろうとしているの？

もう自分が、何の為に生きてるか分からない

こんな気持ちになるなら何も知らずに生きていたかった

私は…これから何の為に戦うの？

何の為に…呪術師になるの……？

もう…ッわかんない…っ！！

分からないよ！！！！

夏「私はそろそろ行くよ

もし、呪術師を辞めて死を選ぶくらいなら…

私の所へ来るといい」

それだけ言って夏油さんは消えてしまった

1人になり、橋の上から夜景を眺めた

涙も出ない

ただ、今は…憎悪、悲しみ、後悔、色んな感情が入り混じって…どうしようもない

そんな時にでも私の目には、湖の上に輝く都会の夜景

「綺麗…………」

いや…この世界は綺麗なんかじゃない

皆、前だけ見て、下を見ない

だから、幸せな人間は誰かの不幸の上に立っている事に気づかない

もう何を憎めばいいのかも分からない

もう誰も信じたくないし信頼したくない

橋の手すりに手をかけて身を乗り出すと

夜景はキラキラ輝いているが、下を向けば

怨念、悲念、悔恨…

ここで身投げしたいと思ってる人の感情
実際にここで死んだ人間の感情全てが呪いとなり溜まっている

「…ｧｱ……ﾔﾘﾅｵｼﾀｨﾅｧｱｱ」

「……ｼﾆﾀｨ………」

「……ﾏﾀﾌｺﾞｳｶｸﾀﾞ………」

「お兄ちゃん…私もそっちに行っていい？」

私…もう…疲れたや…

お兄ちゃんはもっと苦しかったよね

ごめんね……気づいてあげられなくて

ごめんね、この世界の汚さに気づかなくて…ッ

そう思いながら、呪い達に手を伸ばす

その時____________

「君！！何してる！！

危ないから早くこっちへ来なさい！！」

「落ち着きなさい！

君はまだ若いんだから…」

振り返れば、警察が四人程囲んで立っていた

邪魔しないでよ

死にたいって気持ちに…若いも何もない…

人の気持ちも知らないで

死ぬな、なんて簡単に言って

それで人助けをした気になって

自分だけ気持ちよくなってるだけ

虫唾が走る

そんな事を思いながら手すりに身を乗り出しながらボーッとしていると

近づいてきた警察に気付かずあっさりと保護されてしまった