偶然 ページ42
「…………………」
怪しい
とりあえず頭の中を整理しようとするが
整理できない…
私がよくわからない顔をしていると夏油さんは笑った
夏「あははっ、すまない
混乱させてしまったね
…何て言うべきかな
私は君の……師匠……
いや、担任と言った方がしっくりくるかな？
五条悟と同級生でね」
偶然すぎないか…？
偶々助けた女の子の家族が…
呪術師だったなんて
お兄さんか何か…？
呪術師はマイノリティって先生言ってたよね？
こんな偶然あるの…？
それに五条先生と知り合い…しかも同級生…
同級生って事は……
夏「呪術界で君は有名だよ……
あの雨夜暖の特級過呪怨霊に呪われたとなると
そりゃ、呪術界も混乱する
暖はとても強かったからね…
にしても、本当によく似ているね」
やっぱりお兄ちゃんの事も知ってる
「……………………」
夏「ハハッ私を怪しんでいるかい？」
「…えっと…偶然にしては…ちょっと…」
夏「まあそんな警戒しないでくれ
私はお礼をしに来ただけだ
…君は…何かに悩まされているね」
悩まされてる事…といえば…
誰にも相談できてない夢の事…
まるで心の中を読まれてるみたい
夏「知り合いや友人に話しづらいことがあるだろう？
私に話してごらん」
どう見ても怪しいのに…
何故かこの人になら、五条先生に
花香やまりなに話せなかった事を…話せる気がした
「同じ夢を何度も見ます…
夢の中で負った同様の傷が現実でも出来てて…
今は暫く見てないんですけど…
またいつその夢を見てしまうか…少し怖いです」
夏「それは蔵の中で拘束され処刑されそうになる夢かい？」
「はい…正にそんな感じd……
…え？」
私、どんな夢を見たかは言ってない
何でこの人…分かったの…？
夏「おや……もうすぐ暗くなりそうだね」
「あの………何で……」
夏「君は暖が呪いのせいで死んだと思っているか？」
「……………は……？」
思って…る…？
お兄ちゃんは呪いのせいで…死んだんじゃ…ないの？
夏「じゃなきゃ呪術師になんてなろうと思わないか…
悟に聞いてみるといいよ
それでも呪いに殺されたと言うのなら
私の所へおいで…真実を教えてあげよう」
夏油傑はそれだけ言うと背を向けた
真実…って…どういうこと…？
先生は私に何か隠してるの？
去り際、夏油傑は踵を返すように振り返った
夏「ああ、私と会った事はくれぐれも内密に。
雨夜A」
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作者名：はなり | 作成日時：2021年2月26日 12時
