夏の休日 ページ37
高専に入ってあっという間に2ヶ月が経った
不思議な事に夢もあれ以来突然見なくなり
今は8月、2ヶ月間で呪具の扱い方も学んだ
体術も五条先生直々に教えてもらってる
恵君とも手合わせしたりして…2人共容赦ないけど…
変わらずバタバタした日々が続いているが
最近は暗くなる前に帰って来るなら1人での外出も許されている
そして休日の今日
あの時の約束通り花香とまりなと遊ぶ約束をしている
映画を見てご飯を食べて雑談して帰る
随分と充実した日になりそう
座学に呪具に体術、呪力捻出の訓練
偶に任務の同行見学…
更には一般教科もあり、頭も身体もパンパンだ
その為、久々にゆっくりと自分の時間が過ごせそうで少し楽しみ
鏡の前でリップを塗り高専を出る
そして
待ち合わせ場所に向かってる途中
セーラー服の女の子にダル絡みをしている男を見かけた
周りの人達は見て見ぬふりで助けようとしない
流石に困ってる子をほっとけない為、その2人に近づいた
グイッ
女の子の腕を優しく掴んで
男から引き離し自分の方へ引き寄せた
「…何してるんですか？」
男「は？…誰だy…
…あれ？！君！もしかして？！あのカフェの！！」
は…？この人… カフェバーによくいた客…？
最悪だ…
男「最近出勤してないね！どうしたの？」
「…質問してるのは私です」
男「君そんなキツかったの？
可愛いなぁとは思ったけど、女の子から聞くにほぼ散歩しかやってないっぽいから指名もできなくてさ〜気になってたんだよ」
全く会話が噛み合わない
質問しても、答えが返ってこない
自分の話ばかり
私は男をガン無視して女の子に声をかけた
「…誰かと待ち合わせ？」
？「道に迷っただけ」
「そうなんだ、どこに行きたいの？」
男「おい、俺が最初にその女に声かけt…」
無視した事が癪に触ったのか、男が反対側から女の子の腕を掴もうとする
咄嗟に後ろに女の子を隠して眉間に皺を寄せた
「…警察呼びますよ」
警察と言えば男は怯み、舌打ちをして去ってしまった
正直、気持ち悪い
働いてた時、この人に指名されなくて良かったと心底思う
去ったはいいけど流石にこの女の子1人だけで行かせるのも危ないよね
どうしよう待ち合わせの時間まであとちょっとしかないし…
そんな事を考えていると
女の子がボソッと何かつぶやいた
？「あんな猿…私が吊るしてたのに」
「……え？」
女の子の口から出たとは思えない言葉に耳を疑った
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作者名：はなり | 作成日時：2021年2月26日 12時
