術式 ページ25
「術式…？」
また新しい言葉…
もうこれ以上覚えらんないって……
黒板に異様にデカデカと書かれた字をノートに写して行く
五「そっ、術式っていうのは
生まれつき持った才能みたいなもんだよ」
生まれ持った才能…
私にはなくて
お兄ちゃんにあった才能…
「お兄ちゃんの術式ってどんなのだったんですか？」
五「夢魂操術(むこんそうじゅつ)」
「むこ‥…？」
五条先生はカンカンカンッと音を立てて
またデカデカと黒板に文字を書いていく
五「簡単に言うと夢を操れるって事」
「…相手が寝てなきゃ使えなくないですか？」
五「夢を見せるというよりも
眠らせる事がメインの術式になる
でも、眠らせれる時間は3秒のみ
その3秒の間に夢を見せるんだよ
ちなみに、想像した夢を見せる事も可能
ただこれは呪力の消費が激しいから
あまり使わなかったみたいだよ」
短…3秒ってほぼ一瞬じゃん……
「…たった3秒って意味あるんですか？」
そう質問すればチッチッチッと舌を鳴らし
人差し指を左右に揺らした
五「よくない？
凄い長い夢を見てた気がするのに
眠ってた時間は実際5分くらいしか
経ってなかった〜っていうの」
「嗚呼…あります…」
五「現実世界では3秒しか経ってないのに
夢の中では長い時間を過ごした気分になる
大体の奴は夢魂操術を喰らうと混乱する
3秒後、混乱してる隙に呪具で攻撃してたみたいだよ」
______みたいだよ
お兄ちゃんから直接聞いたのかな
お兄ちゃんにそんな力があったなんて…
「…へぇ…凄いですね……
なんとなく分かりました」
五「他にも反転術式、領域展開
色々教える事は沢山あるよ
一気には当然無理だから徐々に覚えてね〜」
うわ、また難しい言葉が沢山……
覚えられるかわかんない
五「あっそうそう！
実はね、高専外で君の他に教え子みたいなのがいるんだよね」
いきなり話が変わった
他に教え子かぁ
しかも高専外？
ここに通ってないって事なのかな
「…他の高校に通ってるんですか？」
五「いや〜違うよ
そいつはまだ中1のガキンチョ
中学卒業後は高専入学予定なんだけどね
その子、式神使いでさ
僕が修行やら稽古やらつけてやってるんだ
見るのも勉強！って事で…
明日！2人を会わせたいと思いまーす！」
急だ……
五「あれ？テンション低くない？
とりあえず今日はこれで授業おしまいね！」
五条先生がハイテンションなだけな気がする…
とりあえず初日、座学だけで良かった…
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作者名：はなり | 作成日時：2021年2月26日 12時
