ドンヘのラブストーリー

私 ページ16

ドンヘさんのシャツは順調に仕上がっていく…

来週…か…

早妃:もしもし？聞いてる？

A:ごめん、ごめん。聞いてるよ

早妃:来週、ドンヘが来る時に間に合う？

A:大丈夫！任せて！

早妃:雅樹君、他の男性のシャツ作るの怒ってない？

A:何で怒るの？雅樹はそんな小さな器な人じゃないよ

早妃:アハハ！そうだよね！私も仕上がり楽しみぃ！じゃ、来週お願いね！

A:分かりました！

早妃:じゃ、おやすみ！

A:おやすみ

早妃との電話を切る

この3週間
ドンヘさんのシャツを作る時間は
本当楽しくて

雅樹のシャツを作っている時より
こうかな？
ああかな？
って色々考えながら作ってる

A:よし…最後の仕上げ

シャツはもうボタンのみを残すだけとなっていた

一つ、一つ
ボタンを丁寧に縫い付けていく

一人でこのシャツを着てくれ
笑ってくれるドンヘさんの顔を想像してしまう

A:………。重症だな…私…

雅樹…
ごめんね…

数ヶ月前までは本当に雅樹との未来しか見えなかったし
考えてなかった

でも今は…

雅樹との未来が見えなくなってきてる

A:…やっぱりこのままじゃダメだよね…

最後のボタンを付け終わり…

A:うん！決めた！

私は一人覚悟した

ドンヘさんとの未来があるって訳じゃないのは分かってる
ドンヘさんの横にはコロコロ可愛く笑う親友の早妃がいるから

早妃を傷つけるつもりはない
この気持ちは一人心にしまっておくって決めてるから
だけど…ごめんね…
好きでいるのだけは許して…

仕上がったシャツをたたみ
渡すための袋へしまう

A:雅樹とは明後日会うから…

そして
今まで雅樹がプレゼントしてくれたものも紙袋へ…

きっと他人が聞けば、バカな決断で間違ってるって言われるに決まってる

それでも芽生えた感情が消えるどころか
膨れ上がるのが分かっている以上は
自分の気持ちに素直に従いたい

今流れてきている涙…

雅樹への懺悔での涙なのか

早妃への後ろめたさからの涙なのか

ドンヘさんへの気持ちへの涙なのか

自分でも分からなかった

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