再会 【神谷健太】

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｢健太くんが辛くなったらまた来る｣


『次は俺が会いに帰るよ』



うん！と笑顔で、でもどこか寂しそうなAを
片手で抱き寄せて、もう片方の手で頬を撫でた



『Aのこの匂い、やっぱりすごくいいね』


｢ふふ、でしょ？｣


『...でも』


｢分かってる、健太くんがいないとこではつけない｣



そう言ってニコニコと俺を見るAから少し離れ
カバンから取り出した袋を渡す




『これ、つけててよ』


｢、これって...？｣


『けんたの香り』


｢もらっていいの！？｣



うん、と頷くと俺があげたスプレー缶を
大事そうに握りしめた



｢この匂い、ほんとうに大好き｣


『男はよってこない匂い』


そう言うと、へへっと笑ってありがとうと抱きつかれた



｢もう知ってると思うけど、健太くんだけ｣


『俺も、Aでいっぱい』



こんな甘々なベタベタな恋ないと思ってた



Aだけ、こんなに好きでこんなに愛せて

俺が間違えたらすぐに正しく戻してくれる
心から大切な、そんな存在





またね、と笑顔で手を振るAを見えなくなるまで見送り
そのままダンススタジオへ向かう




ここで知り合った仲間達が久しぶりと迎えてくれて
一緒に踊って、休憩中は同じ趣味を語って

もう一度、頑張ろうって気を引き締めた





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