月曜日21時のヒロイン【R.S】 (ページ48)

今日:4 hit、昨日:7 hit、合計:134,047 hit

46 ページ48

ryuto

好き…なんておこがましくて言えないし
まだハッキリとした確証もないけど、

藤原さんには負けたくない。

今まで生きてきた中で、
初めての感情だった。

.
.
.

撮影が始まる。

今日は、駿が光を抱きしめて
思いを告げるっていう、
とても重たいシーン。

「じゃあリハ行きまーす。」

リハーサルだから、抱きしめるフリ。
それでも心臓はバクバクしてる。

「"光っ…！”」

グッと、綾瀬さんの腕を掴む。
細くて、強く握れば折れてしまいそう。

「はい、オッケー。
本番ではそのまま抱きしめちゃってね。」

「はい！」

元気よく答えたものの、
心臓の音が大きすぎて近くにいる
綾瀬さんまで届きそうなくらいだ。

すっごい緊張する。

「さ、作間くん…？」

綾瀬さんから、
腕…、と言われて、手元を見ると
綾瀬さんの腕を掴んだままだった。

「…！！！！うっわごめんなさい！
痛かったですよね！？」

あの勢いのまま握ったまんまだったから
絶対痛かったはずなのに。

ケラケラと笑う綾瀬さん。

「作間くんも焦るんだね。」

俺は、貴方と出会って
焦ってしかいない気がしますよ…。

それにしても余裕そうな綾瀬さん。
そうだよなぁ、今までたくさんの
ドラマに出演してきてるもんな…。

と、今まで見てきたドラマを思い浮かべる。
何だかまたモヤモヤが襲ってきそうになるから
思わず頭を振って記憶をかき消す。

綾瀬さんの、今の相手役は、俺だ。