月曜日21時のヒロイン【R.S】 (ページ46)

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ryuto

ドラマ撮影が休みの間、
夏のライブリハやグループでの仕事で
俺は正直疲労困憊だった。

それに加えてドラマの台本も
覚えなきゃいけなかったりで、
睡眠時間も返上する勢いだった。

しかも次のシーンは、
駿が光を抱きしめるシーンがあるもんだから、
変に緊張してしまって、
めちゃくちゃ早起きしてしまった。

他の人が撮影している間、
俺は楽屋に篭もる気にはならず。
台本にもう一回目を通しておこうと
前室に入り座っていた。

最近の寝不足が今になって
体に影響してる気がする。眠い。

もう少し時間あるみたいだな、と
考えている間に俺は眠ってしまっていた。

ポンポンと、肩を叩かれる感触。
目を開けると、目の前には綾瀬さん。

「んぇっ！？」

びっくりして変な声を上げてしまう。

「もうすぐ始まるみたいだよ。」

俺の声にびっくりしたあと、
クスクス笑いながら綾瀬さんは、
まだ寝ぼけ眼な俺に教えてくれる。

「あっ…ありがとうございます…」

寝顔を見られたことに気付き、
急に恥ずかしくなる。
俺、口とか開けてなかったかな…。

寝不足…？なんて首を傾げて言われるから、
質問にも答えずに、その仕草が可愛い
なんて思ってしまう俺は、
まだ寝ぼけているのだろうか。

ちょっとだけ…、なんて答えると
休めるときはゆっくり休んでね、と
優しい返事が返ってくる。

綾瀬さん、少し変わった気がする。
前より壁がなくなった。

これは藤原さんのおかげなのかな、なんて
頭によぎってしまって
急にモヤモヤした気持ちが俺を襲うから
あの日のことはもう考えないことにした。