月曜日21時のヒロイン【R.S】 (ページ41)

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あのあと、藤原さんと、吉田さん、
数人のスタッフさんと食事に行った。

最初は馴れ馴れしいなと思っていた
藤原さんも話してみると良い人で。

吉田さんからは演技について
教えていただいたり、
スタッフさんとも距離を縮められた気がする。

普段は全くと言っていいほど行かなかった。
今日は藤原さんの押しに負けて行ったけど、
思ったよりも全然楽しくって。

少し頑張って喋ってみるものだな、
なんて思ったりも、した。

喋っていくうちに分かったのは
藤原さんは年齢は私の1つ上。

デビュー前に私の出演しているCMを
見たことがあって、
一度お会いしたかったんです、と言われた。

素直に嬉しかったし、
ゲンキンな奴って言われるかもしれないけど
藤原さんのイメージも少し変わった。

あっという間に吉田さんは出来上がり、
2軒目行くぞ～、なんてスタッフさんと
肩を組んでいる。

私はここで、と1人で出ようとすると
藤原さんが追いかけてきた。

「あのっ…連絡先って交換してもらえないですか…？」

あんなに馴れ馴れしいと思っていた
藤原さんから出た声は小さくて、
私は少し笑ってしまう。

「大丈夫ですよ。」

よっしゃぁ！なんて小さくガッツポーズを
する藤原さんが何だか子供みたいに見える。

私の携帯に藤原さんの情報が
登録された。

タクシーを止めて乗り込もうとすると、
また連絡するから！と聞こえる。

少し微笑み、会釈をすると
タクシーはドアを閉め発進する。

携帯を見るとペットなのか、犬を抱っこして
満面の笑顔の藤原さんのプロフィール写真が目につく。

ペットと飼い主が似るって本当なのかな、
なんてどうでもいいことが思い浮かぶ。

…作間くんのプロフィール写真って
どんな感じなんだろう、

何故か作間くんのことが脳裏に浮かぶ。

～♪
『Aちゃん、今日はありがとう。
無理に付き合わせちゃってたらごめんね。
また行けたら嬉しいです。
気を付けて帰ってね！』

メッセージが来たことを知らせる
通知音が鳴って。
藤原さんからのメッセージが表示される。

着きました、と運転手さんが言うから
お金を払いマンションに入る。

『今家に着きました。
今日はありがとうございました。
楽しかったです。また誘ってください。』

我ながら可愛げのない句読点だけの
返信をする。

まわりの人も、環境も、
このドラマは少し違う気がする。

もう少し、仲良くなれたらいいななんて、
初めて思った。