月曜日21時のヒロイン【R.S】 (ページ3)

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「おはようございます。」

この業界の挨拶は昼夜問わずこれで始まる。
デビューしたての時は戸惑ったっけ。

「あ！！綾瀬さん！おはよう！」

私を見つけるやいなやダッシュで向かってくる男性は
今回のドラマのプロデューサーさん。
何度か他の仕事でもご一緒したことがあり、
お父さんのような優しい性格で現場をあたためてくれる方だ。

「おはようございます。今回もよろしくお願いします。」

そうこうしてる内に今回のドラマの打ち合わせが始まる。
原作者の方や脚本家の方、プロデューサーさんの方の意見が飛び交う。

今回のドラマは月9。
年の差のある幼馴染の二人が成長して恋愛や友情
そして変わっていく二人の関係性にぶつかって悩んで、
周りを巻き込みながら成長していく王道ラブストーリー。

私はそのヒロイン、大学生の女の子を演じる。

今回年上の女の子と年下の男の子という幼馴染の設定だけど、
今日その男の子は来ていないみたい。

誰だろう、なんて思いながら台本をぱらぱらとめくると
キャスト紹介のページにも名前がない。

佐藤駿役・・・未定

オーディションがまだ終わってないらしく、
顔合わせのときまで相手の俳優さんが分からないらしい。

【未定】ここから運命は始まっていたのかな、なんて。