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やめて。 ページ34

気づいた時には、トド松さんの髪を引っ張った男は地面に倒れいて。


 


トド松さんを十四松さんが抱えていて。


 


呆然とする私と相手の男たち。


 


 


 


「…A、トド松オナシャス」


 


『…あ、は、はいっ…』


 


 


 


聞いたことのない低い声と、目の前に現れたトド松さんで我に返る。


 


気絶していて、息はしてる。


 


顔の傷が酷いけど、骨は折れてない。


 


ホッとしたのも、束の間。


 


鋭い殺気…のようなものに背筋が凍った。


 


 


 


「…お兄さんたち、覚悟できてる?」


 


 


 


狭い路地に響く鈍い音と、うめき声。


 


顔を真っ青にしながら、自分の中に残っているプライドで立ち向かう彼ら。


 


圧倒的な力でねじ伏せていく彼は、まさに獣のようだった。


 


その光景を目にしていながら、止められない私にわかることはただ一つ。


 


あのままじゃ…っ。


 


 


 


「……っ…Aちゃ、ん…」


 


『!と、トド松さん…!よかった、目が覚めたんですね…』


 


 


 


うっすら瞳を開け私を見つめた後、十四松さんに目がいく。


 


 


 


「…あのままじゃ……殺しちゃう…っ」


 


『…っ、…』


 


 


 


彼もこの状況を察したように、口を開いて。


 


ほとんど気を失ってる人間相手に、十四松さんは拳を叩き込んでいるのだ。


 


弟を傷つけられた、怒りや悲しみが、今の彼を支配している。


 


でも…。


 


 


 


『…じゅ、十四松さん……もうっ、やめて…』


 


 


 


仕返しすることは、しょうがないこととして。


 


手を出したのは彼らなわけだから、同じようにされても文句は言えない。


 


でもそれ以上で返してしまえば、辛くなるのはあなたなわけで。


 


 


 


『や、めて…』


 


 


 


声の聞こえていない十四松さんは、止まってくれないけど。


 


私には、これ以上見ているだけはできない。


 



十四松さんには、笑っててほしい。


 


 


 


「っ、!Aちゃん!危ないからッ!」


 


 


 


トド松さんを置いて走り出した私の先には、十四松さんの背中。


 


 


 


『もうやめてッ!殺したらダメ…!!』


 


 


 


その背中めがけて、私は手を伸ばす。


 


 


 


『正気に戻って…十四松さんッッ!!』

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設定タグ:おそ松さん , 喧嘩松 , 恋愛   
作品ジャンル:アニメ
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リビリンス(プロフ) - カラ松さんがイケメン過ぎてヤバいです!十四松が、大切な人のために戦っているところも、すごくよかったです!更新楽しみにしてます!頑張ってください! (2016年4月17日 23時) (レス) id: e6133c400a (このIDを非表示/違反報告)
姫凛 - 純粋なカラ松はカッコいいです!この六つ子にとって夢主ちゃんとはどんな存在なんでしょうか!!!続きが気になります!更新頑張ってください! (2016年4月4日 19時) (レス) id: f294dfc1f5 (このIDを非表示/違反報告)
姫凛 - どうも!姫凛と申します!めっちゃいい作品ですね!大事な人のために戦う六つ子カッコ良すぎです!更新頑張ってください! (2016年3月21日 21時) (レス) id: 0b85f5aea9 (このIDを非表示/違反報告)
向日葵 - とっても面白いです!更新頑張ってください! (2016年3月14日 22時) (レス) id: 9fbf0fb0cc (このIDを非表示/違反報告)
ルミ(プロフ) - めっちゃ面白いですー頑張ってくださいo(`^´*) (2016年3月10日 14時) (携帯から) (レス) id: 0f719a32cd (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:柴央桜 | 作成日時:2016年1月26日 17時

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