【おそ松さん】些細なことが、大事になりまして。【喧嘩松】

松野家 ページ19

「あ、一松兄さん！どうだった？」


　


「…別に、どうもない」


　


「あー、その顔じゃ、気に入っちゃったな？」


　


「うるさいよ、おそ松兄さん」


　


　


　


Aと別れた一松はある場所を訪れていた。


　


……いや、ただの松野家です。


　


　


　


「それで？あいつらの動きは？」


　


「うん、特に何もしてないみたい。まあ昨日はカラ松兄さんがいて、今日は一松兄さんがいたからじゃない？」


　


「じゃあ明日は俺！俺行く！」


　


「えー？僕もう少しお話したいのに！」


　


「俺まだ話してねえもん！はい決まりー」


　


　


　


どうやら決めているのは誰が明日、Aと帰り道を歩くか、ということらしい。


　


　


　


「たっだいマンモスー！」


　


「おかえ……うわ、十四松顔に血付いてるから。シャワー浴びてきな？」


　


「ういっす！」


　


　


　


帰ってきた五男の頬には血がべったり。


　


ただこれは、彼の血ではない。


　


彼が血祭りにあげた、人の血。


　


　


　


「はぁもう…十四松は仕事が早いけどスイッチ入ると押さえるの大変……」


　


　


　


続いて居間に入ってきたのは三男。


　


随分疲れきった表情だ。


　


　


　


「お疲れ〜。カラ松は？」


　


「カラ松ならコンビニ行ったよ」


　


「何！？あいつ長男様に“何が欲しいですか？”とかも聞かず勝手に…！」


　


　


　


ちょっと俺も行ってくる、と家を飛び出すおそ松。


　


やれやれと思うのは、六男。


　


ただ一人、一松だけはこの現実を見ておらず先ほどのAのことばかり考えてしまう。


　


すると窓からネコが入ってくる。


　


　


　


「…にゃあ…」


　


　


　


……Aが助けた虎模様のネコ。


　


一松の膝に降りれば、丸まって眠ろうとする。


　


その体にはまだ、包帯が巻いてあった。

拘束。→←もし。

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