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だんだん雨も強さを増してきて、
雷もこちらの方へ近づいてきてさすがに限界なのか
Aちゃんの口数も減ってきた。


Aちゃん雷苦手?
さっきから口数少ないよね
大丈夫?

やっぱり普段からよく見てくれているリスナーさん。

すぐにその変化に気付いて心配してくれている。


『いや〜、さすがに隠し切れないか...』

て「無理あるよ〜、めっちゃ手震えてるし」


そう言って手を握ると、
震わせたまま弱々しく握り返される。


て「大丈夫だよ」

『うん...』

て「僕もいるし、リスナーの子も一緒だから」


てるとくんカッコイイ!
いつもの可愛いてるとくんはどこへ...
てるとくんの言う通り!みんないるよ!


『そうだね、みんながいてくれるから大丈夫!』


不安そうではありながらも笑顔を見せたその時、


__ピシャーーンッッ...バリバリバリ...



突然光ったと思えば近くに落ちたのか
さすがの僕でも驚くほどの衝撃音がした。

Aちゃんはビックリしすぎて声も出ず
僕にしがみついたまま固まっている。


て「Aちゃん、大丈夫?」

『てちゃ……』

て「みんなごめんね、Aちゃん限界みたいだから
 今日はこの辺で終わるね!」


Aちゃんの様子を見てこれ以上配信続行は無理だと判断して
最後に“みんなも気をつけてね”とだけ言って配信を切った。


て「Aちゃん、僕がいるから大丈夫だよ」

『……ごめんね』

て「大丈夫だよ、今日は泊まってって」

『…うん、ありがとう』


天気も回復しそうにないし
この状態のAちゃんを返す訳にはいかず
急遽お泊まりに……。




て「……ねぇ、Aちゃん」

『ん?』

て「……何してるの??」

『てちゃにくっついてる』

て「もう、向こうでむむと待ってて!」

『無理、また雷鳴ったらどうするの?』

て「僕お風呂に入るの!」


雷が落ち着いた頃、
今のうちにお風呂に入ろうと思ったのに
僕にくっついて離れないAちゃん。

その時、Aちゃんの携帯に着信が入った。


『もしもし、しゆから電話なんて珍しいね』


どうやら相手はしゆちゃらしく、
これなら電話してる間にお風呂入れるかも…と
こっそりリビングを抜け出そうとすると


『うん、今てちゃと一緒…あっ、1人でお風呂行かないで!
 しゆ、てちゃがお風呂入るからまた後でね!』

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作者名:SHiYuRiSu | 作成日時:2022年4月15日 18時

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