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し「いや...」

店員「彼女さん、可愛いですね」


少し離れたところで別の店員と楽しそうに話しているAを
微笑ましそうに眺めながら俺に言った。


し「彼女ではないっすけどね」

店員「あ、すみません...お似合いだったので...」

し「でも恋愛感情はないにしても大事なのは変わらないんで」


それから少し話して、
俺が気になってたピアスを2つ、色違いで包んでもらった。



し「そろそろ行くよ」

『は〜い』


俺の声に反応したAは
あれからずっと話していた店員さんにお礼を言って
俺の元にやってくる。


次の行き先なんて決めず、
いい店ないか探しながら歩いていると


『さっきの店員さんに"彼氏さんかっこいいですね"って言われた』


唐突にそう言ってくるA。


し「ふ〜ん、なんて答えたの」

『自慢の彼氏ですって言っといた』

し「...ほんとそういうとこだよな、お前」


何のことか分からずに首を傾げているAの手を引いて
店を後にした。



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Aと出掛けて数日後、
あの日買ったピアスはまだ2つとも俺の手元にある。

何故ならあれからAがピアスを開けていないどころか
開ける気配さえないから。


そんなことを思いながらもAに会う機会がある日は
いつでも渡せるようカバンに忍ばせている。



そして今日…
打ち合わせがあるためいつものようにカバンの中に
ピアスを入れ、待ち合わせ場所へと向かう。


借りた会議室に入るなり、


『待って!無理!』


朝から大騒ぎしているAと


ゆ「うるせー、大きい声出すな」


そんなAにキレているゆきむ。


大騒ぎの2人を気にも止めず、
各々好きなように過ごしているメンバーと挨拶を交わしていると
後ろから凄い勢いで何かが突進してきた。


し「おはよ、A」

『しゆちゃん!!!おはよ、助けて!!!』

し「今度は何したの」

ゆ「Aがピアス開けたいって言ったんじゃん」


そう言うゆきむの手にはよく見れば
ピアッサーが握られていた。


し「開けないの?」

『だって怖くなって…病院で全身麻酔してくれればいいのに』


確か前にまひがピアス開ける時のエピソードを
配信で話してた時も同じこと言ってたな...。

そう思ってまひの方を見ると
Aに賛同するように頷いていた。

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作者名:SHiYuRiSu | 作成日時:2022年4月15日 18時

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