思春期の短編集【呪術廻戦】

※ハプニング【狗巻棘】 ページ14

先輩狗巻×後輩A



*



Aと付き合って1ヶ月。
忙しいのもあるけど手を繋ぐ事から先へ進めない。

…Aが大切すぎてどうしたらいいのかわからない。



パンパンと自分の頬を軽く叩いて、いつも通りにAの部屋へ訪れた。




「しゃけ〜〜」

『い、狗巻せんぱ……』




ノックをせずに入ったのが間違いだった。



着替えの途中だったのか、ベッドにはいろんな服が散らばっていてAは下着姿。

黒のレース……じゃなくて！！




「おかか(ごめん)！！！」




謝罪の意味を精一杯込めた一言。
伝わったかどうかはわからない。


慌てて廊下へ出てAを待った。

しばらくしてぎこちなく開くドア。




『……お待たせしました…』




いつもならテレビを見ながら手を繋ぐのに、緊張が走ってそれどころじゃない。

彼女が見られたくないであろう姿を見てしまった罪悪感。




『ごめんなさい、変な姿を見せてしまって……』

「おかか！」




慌てて「綺麗だった」と携帯に打って見せた。

Aは顔を赤くした。
…いや、綺麗だったはおかしいか？あー…もうわかんない。わかんないや。

目を合わせようとしても逸らされるし。



両手で頬を挟んで強制的に視線を合わせた。




『恥ずかしいから見ないでください…』




思春期。そういうお年頃。
ハプニングとはいえ、彼女の下着姿を見て興奮しないわけがない。


少し強引にキスをした。




『や……んぅ、』




こうなってしまっては後は勢いに任せるしかない。
舌を絡めるとAから甘い息が漏れる。


本当にそろそろ限界。




『…下着、見ました？』

「しゃけ」

『野薔薇と買いに行ったんです、先輩はこういうのが好きかなって思って……』




最後の方は小声だったけど鼓膜にしっかりと届いた。
それっていいよって事だよね？これで違ったら結構ショック。




『その、したい…です』




サヨナラ理性。
こんにちは本能。


大切なAだから乱暴にはしたくない。
でも限界を迎えてるからごめん、優しくもできない。




「好き」




呪いになってしまったらどうしようと思ったけど、一生Aと離れなくて済むんだったら、むしろ呪いになってくれ。




『…棘くん、好き』




あーあ、悪いのはAだからね。
いっぱい愛し合おうね。




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