聞こえる？ ページ31
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「そう、これこれ！さんきゅー！！
ニノ、ごめんね、オレすーっかり忘れててさ！
あいつの所に行こうとして、『あ！！ニノに預けたまんまじゃん！！』って気付いちゃって、それで…」
「…ちょ、お前、声大きいって！」
…ふふっ。和也が慌ててる。
会話が丸聞こえだ。
「ごめん、ごめん…。
でも、ほら、打ち合わせやる予定だったからさ、それが終わってから貰うつもりだったの。
それが、まさかあんなに早く解散だなんて思わなくて、ラッキーって家に帰って荷物開けたら、入ってないじゃん！？
それで、あ、やべー！ってなってさ…」
「はいはい！
…もー、ハナシすんなら、手短にお願いしますよ。
ほらドア！そこ一旦閉めて！」
「あ、悪い。
…それでさ、きっとニノはAちゃんと一緒だと思ったんだけど、オレも困って、えーい電話しちゃえって…
ホーント、ごめんねー！！！」
ドアが閉まる音がして、相葉さんが一生懸命に謝っているのが聞こえる。
「あー…
まー、オレもすぐに出られなかったからね…悪い」
あの和也が、相葉さんの勢いに押されてて、何だか楽しい。
二人が玄関の中で小声で話をしているうちに、とりあえず身体を起こした。
私も少しずつ衣服を身に付けていく。
いつも思うけど、本当に仲がいいなあ。
今回のライブでも、和也をすごく気にかけてくれていたよね、相葉さん。
私がお礼を言うのは変だけど…でも、本当にありがとう。
「…ってことで。
んじゃ、オレ帰るわ！
ごめんねーニノ、Aちゃんと“お・く・つ・ろ・ぎ”のトコロ！」
「うるさいよ」
相葉さんがうひゃひゃと笑いながら、あ、そうそう！…と言った。
「ね、Aちゃーん！！聞こえるー！？」
「！！」
…え？…私！？
まさか、いきなり自分が大声で名前を呼ばれるとは思わず、スカートを履きながら、びくうっ！と驚いた。
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作者名：kico
| 作成日時：2014年9月28日 15時
