おかえりなさい。【KN】 2014.9 (ページ11)

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感謝のキモチページ11

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『…話戻んだけど、ハワイ、やっぱ来ないの？』

『うん』

『じゃ、ついでに、それも理由きかせてもらえませんかねー？』

『…うん』

じーっと見られているのが話し辛いけど、今なら思った通り伝えられる気がする。

　
『…和也は、仕事で行くんだよ？』

『そーだよ』

『遊び気分でお邪魔するなんて、できないもん…』

ははっ…
なに、そんな理由？…と、和也が笑う。

『んなの、オレがいいっつってんだからさ…』

そうだね。

一緒に行くと言っても、別に現場にお邪魔する訳じゃない。
和也がオフの時に一緒に行動できるくらいで、それ以外は別行動。
ハワイ滞在中のお仕事はたくさん入ってるみたいだから、それすら僅かな時間かもしれない。
それでも、一緒に来ない？と誘ってくれる和也の気持ちが、本当にすごく嬉しい。

加えて、現場の状況把握に秀でている和也から誘ってくれるんだから、他のメンバーさんやスタッフさんたちの雰囲気的にも私が行っても問題ない感じなんだと思う。

『でも、ごめん…
　和也がよくても、私が気になるの。
　行きたくても行けないファンの人もたくさんいて…
　なんだか簡単に“行こう”なんて思えないよ』

『…あー、それは、ね…
　んー、そっか…』

『うん…。
　だから、待ってる』

『…ワタシとしては、折角だからAへのご褒美になれば…と思ったんですけど…
　ま、そーね、これも気持ちの問題ってやつですかねー。
　Aの気持ちがなかったら、ご褒美になんてなんないもんなー』

『本当にごめんね。
　でも、考えてくれて、すごく嬉しかった。
　ありがとう』

『どーいたしまして。
　…んじゃ、感謝のキモチってやつを態度で示してもらおっかな♪』

『え！？』

『…明日、声出なかったらごめん』

『ちょ…』

全部言い終わる前に、唇が和也のそれで塞がれた。
優しい口付けに、頭も身体も痺れてくる。
角度を変えて何度も触れ合わせながら、少しずつキスが深くなってきて…
酸素が足りない息苦しさの中、和也への想いが私を駆り立てていく。

『A…』

息継の狭間の荒い吐息のなか掠れた声で囁かれ、ゾクッと甘い疼きが背中を一気に駆け上った。

ゆっくりとまた近づく唇…
白い肌に、乱れた前髪…
そこから上目遣いに覗く、妖艶な色を帯びた熱い眼差しに射竦められて動けない。

ああ…

そういえば、私…
ライブ以上にカッコいい和也を、知ってるかも…
なんて、思い、目を閉じた。

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