Scene４ 診療所 ページ10
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和也に心配かけないように、実家に帰ってセンター長さんとの話をメールで報告して、翌日は叔父さんの退院の日。
ヒロはやはり退院には間に合わない、サナちゃんもお昼から顔を出す予定、とのことで、私は1人で病院に向かった。
「おお、A、東京から遠いのに何度も帰って来てもらって悪いねえ」
「叔父さん…！」
見違えるように元気になった叔父さんは、ベッドサイドに座り、身支度を整えている。
「何か良いことでもあったのかい？」
「え？」
「良い顔をしているからわしも嬉しいよ」
「それを言うなら、私の方こそだよ。叔父さん顔色もいいし、すっかり元気そうで…退院できて本当によかった！」
「これもお前たちのおかげだよ。もうすっかり歩けるようになってねえ。今じゃ階段も普通に上がれる。自由に動けると言うのは本当にありがたいことだよ」
叔父さんはゆっくり立ち上がって手足を自在に動かして見せた。
身体を起こすだけで痛そうだったことを考えたら、本当に嬉しいよ。
聞けば、退院手続きも書類関係はもう叔父さんが自分で書いて出しているという。
「ははは、年寄り扱いして貰っちゃ困るよ。わしだってそのくらいはできる。後は荷物の片づけと入院費の精算だけだよ」
「じゃあ、私が会計に行ってくるね。若先生にご挨拶もしなくちゃいけないし」
「ああ、頼んだよ」
院長室を訪ねると、若先生は私の顔を見るなり、ほーう、と、にこやかに頬を緩ませて、「まあ座りなさい」と招き入れてくれた。
「先生、どうもありがとうございました」
「もう叔父さんには会ったかのう？」
「はい。ヒロから聞いてはいましたけど、あんなに元気で、変わらない姿を見せてくれるなんて…。叔父が本当にお世話になりました」
「なんのなんの。叔父さんが根気よくリハビリを続けた成果じゃよ。
走ったり梯子に昇ったりはしばらくできんかもしれんが、日常生活には何の支障もなかろうて。これで、儂も安心して退院させられるわ。
…で、お前さん、他にも儂に話があって来たのじゃろう？」
「はい。実は…」
固くきゅっと両手を握りしめ、小さく深呼吸をして頭を下げた。
「…ごめんなさい！私、先生に嘘をついていました！」
「…ほお。嘘…とな？」
「はい。実は…」
「…マサト君のことかのう？」
「えっ」
若先生の言葉に、私の方が驚いた。
「ど、どうして…それを…」
呆然とした私に先生はふおっふおっふおっと声を上げて笑う。
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kico(プロフ) - もちさん» あんな展開でしたから不安になりますよね＞＜言葉にせずに伝わることもたくさんあるんだけれど言葉にすることで初めて正しく通じることもあって…誤解や思い込みが重なりましたがちゃんと言葉にすることができてよかった^^＊もちさんありがとうございました！ (2019年9月28日 7時) (
レス) id: 890f6f329d (このIDを非表示/違反報告)
もち(プロフ) - この2人はどうなってしまうのだろうか…と時々不安を感じながら、でも、きっと分かり合えると信じて読んでいました。お互い分かっているようで、やっぱり言葉として表現しないと通じないものだなと感じさせられました！ありがとうございます！ (2019年9月28日 4時) (レス) id: c96fed03c3 (このIDを非表示/違反報告)
kico(プロフ) - miさん» こんばんは^^読む専門で問題なしですよ^^＊このような妄想話を読んでくださっていることに感謝ですし、こうしてコメントまで…(嬉涙)ありがとうございます！書きたいことを好き勝手にだらだら書いていますのでmiさんの温かいお言葉が嬉しすぎて小躍りしています(//∇//) (2019年9月28日 2時) (レス) id: 890f6f329d (このIDを非表示/違反報告)
mi(プロフ) - こんばんは。いつも読む専門ですみません。丁寧に物語を進めてくださることで、情景や感情の動きがとてもわかりやすいです。2人が同じ未来を描いていける想いを重ねられることが何より幸せですね。続きのお話も楽しみにしています。無理をされませんように…。 (2019年9月27日 22時) (レス) id: b388220049 (このIDを非表示/違反報告)
kico(プロフ) - 亜衣さん» 2人がこれからどんな未来を手に入れるのか^^＊だらだら好き勝手に独りよがりな妄想を晒しているだけのお恥ずかしい私ですのでとんでもない(苦笑)でも愛だけは籠めまくっていますので、ええ(エッヘン！笑)この先もまた一緒に共有して頂ければ私も幸せです(≧∇≦) (2019年9月27日 10時) (レス) id: 890f6f329d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：kico
| 作成日時：2019年8月25日 6時
