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「代表者の設計技術が下がって今までと同じレベルの対応ができなくなったというのでは、これまで贔屓にしてくれてきた顧客の皆さんに申し訳が立たんからねえ。
だから継ぐなら合格するのが必須条件だと言ったんだよ。そして、合格しなかった場合は会社を辞めることはならんとね」
「叔父ちゃんがうちのお父ちゃんとお母ちゃんに気を遣ってくれて…」
「なあに、当然のことだよ。正式にこの事務所を継ぐのでなければ、定職がないのと同じこと。結婚が決まっておるんだ、合格しなかった場合は今の会社を辞めることなどけしからん。サナちゃんのご両親にも道理が通らんよ」
「俺、今年こそは絶対合格するつもりで、すっげえ勉強してたからさ。わかったやるよって言ったんだ。
だから合格してすっげえ嬉しかったし、正式に辞める話をサナのおじさんおばさんにしたのも合格通知をもらってからでさ。もちろん気持ちよく了解してもらった」
「合否が出るまでは、ヒロの今後がどうなるかわからなかったからねえ、ちゃんと東京の研修にも行きなさいと言ったんだよ」
「うん。東京本社の雰囲気も知った上で決断したかったし。だから、転勤の答えを待ってもらって、よく考えて決断した」
ああ…
そういう事情もあったから、私が転勤について訊いた時には、あんなに歯切れが悪かったんだ…。
「この機会に、2人に言っておくよ。
たまたまヒロの希望がここに残ることだったから、結果的には春からヒロとサナちゃんが一緒に住んでくれることになるが、もしもヒロが東京に行っていたとしてもだ。わしは1人で本当に大丈夫なんだ」
「叔父さん…」
「お前たちがわしに感謝してくれている気持ちはもうありがたく受け取った。十分だよ。
今の時代はいろんなサービスも受けられるし、これから1人暮らしするのに困らない程度の金もある。
それに、実はなあ、わしは行ってみたい国内外の建築物がたくさんあるんだ。今まではこの事務所があったから長期に出かけることはできなかったが、この近隣はもうまわり尽くしたからねえ。体調と相談しながら、1人でのんびり遠くに旅をしたいんだよ」
叔父さんがリビングの本棚から取り出したノートには、旅行の計画がびっしり書いてあった。
ちゃんとバリアフリーの旅館や経路も調べてある。
「お前たちが独り立ちするまで待っていようと決めていたわしの夢なんだよ。これで、これからは心置きなく旅に出れるなあ」
「叔父さん…」
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kico(プロフ) - もちさん» あんな展開でしたから不安になりますよね＞＜言葉にせずに伝わることもたくさんあるんだけれど言葉にすることで初めて正しく通じることもあって…誤解や思い込みが重なりましたがちゃんと言葉にすることができてよかった^^＊もちさんありがとうございました！ (2019年9月28日 7時) (
レス) id: 890f6f329d (このIDを非表示/違反報告)
もち(プロフ) - この2人はどうなってしまうのだろうか…と時々不安を感じながら、でも、きっと分かり合えると信じて読んでいました。お互い分かっているようで、やっぱり言葉として表現しないと通じないものだなと感じさせられました！ありがとうございます！ (2019年9月28日 4時) (レス) id: c96fed03c3 (このIDを非表示/違反報告)
kico(プロフ) - miさん» こんばんは^^読む専門で問題なしですよ^^＊このような妄想話を読んでくださっていることに感謝ですし、こうしてコメントまで…(嬉涙)ありがとうございます！書きたいことを好き勝手にだらだら書いていますのでmiさんの温かいお言葉が嬉しすぎて小躍りしています(//∇//) (2019年9月28日 2時) (レス) id: 890f6f329d (このIDを非表示/違反報告)
mi(プロフ) - こんばんは。いつも読む専門ですみません。丁寧に物語を進めてくださることで、情景や感情の動きがとてもわかりやすいです。2人が同じ未来を描いていける想いを重ねられることが何より幸せですね。続きのお話も楽しみにしています。無理をされませんように…。 (2019年9月27日 22時) (レス) id: b388220049 (このIDを非表示/違反報告)
kico(プロフ) - 亜衣さん» 2人がこれからどんな未来を手に入れるのか^^＊だらだら好き勝手に独りよがりな妄想を晒しているだけのお恥ずかしい私ですのでとんでもない(苦笑)でも愛だけは籠めまくっていますので、ええ(エッヘン！笑)この先もまた一緒に共有して頂ければ私も幸せです(≧∇≦) (2019年9月27日 10時) (レス) id: 890f6f329d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：kico
| 作成日時：2019年8月25日 6時
