未来 ページ10
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「あいつ、もーすっかりマイホームパパだからね。
こないだも『旅行土産っす！』っつって、家族でどっかにキャンプに行った土産の煎餅と、なぜかブドウをスタッフルームに置いてたな」
「あ、それ！相談室もアイちゃんからお煎餅とブドウを頂いたんだけど、あのブドウはキャンプ場でファミリーアスレチック大会があって、ニッシーくんがお子さんと二人三脚で1位になった賞品なんだって」
「へー、さすがだなー。今度の連休は嫁さんの希望で温泉に連れてくっつってたよ。
先週の休みは嫁さんに頼まれて、子供服バーゲンに3時間並んで限定品をゲットしたって。貴重な休みだってのに、嫁さんのため子供のために朝5時起きで並んだっつーからね。元気だなーすごいよねー」
「そうなんだ。ニッシーくん頑張ってるね(笑)」
ニッシーくんは、今もアイちゃんのことが大好きだ。
アイちゃんだって、我が儘を言ったり顎で使っていたりしているように見えてニッシーくんじゃなきゃダメで、立てるべきところでしっかり立てている。
相変わらず仲が良い2人だなあって。
「ニッシーの話聞いてたら、子供に甘々だな。嫁さんはすっげ厳しいみたいだけど」
「うん。アイちゃんは愛ある厳しさだよ。いいコンビだね」
ふふ…っと笑うと、定食の肉野菜炒めをつついて口に入れていた和也が私を見た。
「Aはさ、またちょっと違ったタイプかな」
「…え？…私？」
「そ。なんつーか、怒ると怖いんだけど、普段は穏やかで…こう、いっつも一緒になって楽しそうにちょこまか動いてんの」
和也…。
「…そうかな」
「でも、そー見えて、実は胆は座っててさ。で、オレのが口うるさいのよ、きっと」
くくくと笑う。
「…そんなこと、ないと思うな」
私も思ったことをそのまま口にした。
「和也も…きっと甘いんじゃない？」
そんな未来を想像して、くすっと笑って。
和也も、ふはっと笑う。
「どーだろねー(笑)。ま、こればっかはわかんねーからなー…」
「うん…」
そうだね。
笑顔で頷いた。
いつかの未来。
今が続く先の遠い未来。
何がどうなるかなんて誰にもわからない。
でもね、それでいい。
あなたがいい。
潤んだ瞳でこてんと隣に首を預けると、左手が頭を引き寄せて髪に顔を埋められた。
何も言えなくていい。
すべてを理解した上で、私たちは同じ未来へと歩いている。
それだけで泣きたいほど幸せで…
そっと、目を閉じる。
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kico(プロフ) - あさひさん» あさひさんコメントありがとうございます！某その節は「もう続きは書けない＞＜」って散々愚痴を零してましたもんね(苦笑)^^;このタイミングで書けて良かった。今の幸せな2人を見届けてくれてありがとう(*´ω`*)大感謝です(感涙)！ (2019年10月27日 9時) (
レス) id: 890f6f329d (このIDを非表示/違反報告)
あさひ(プロフ) - kicoさん、素敵なお誕生日のお話ありがとうございます！今の二人が変わらず幸せで、私も幸せですー！定食屋さんのお話、もう読めないかなと思っていましたが、読めて嬉しいです！YELLOW MAGIC 読み返してきます！ (2019年10月26日 12時) (レス) id: 1753a678de (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：kico
| 作成日時：2019年10月11日 18時
