@ １ ページ1
.
季節は秋 。
その突然の朗報を聞いたのは 、高校2年生の
2学期が始まってしばらくしてのことだった 。
「 Aー？
こないだからバイト探してへんかった？ 」
家のリビングでくつろいでいると
キッチンから呼びかかるお母さんの声 。
「 んー？ 探してんねんけど
あんまええ感じの見つかってないー 」
「 ほんまにー？ 良かった！
あんな 、お母さんの仲良い職場の友達に
永瀬さんいう人がおるんよ 。
そこの息子さんが今年高校受験やねんて 」
「 へー 。 … それで？ 」
「 Aに 、家庭教師に来えへんかって！」
「 … え 、かていきょ … ！？！ 」
思いがけぬバイトのお誘い 。
あたしが市内でわりと賢い高校に
通っていることを知った 永瀬さん が 、
「 是非うちに来てくれないか 」と
お母さんにオファーしたのだとか 。
「 ちなみに息子さんは廉くんって言うねんて 」
「 は 、はぁ 」
いや 、いきなり名前を言われましても 。
… なんて動揺するあたしには目もくれず
お母さんは既に承諾されたつもりなのか
鼻歌交じりの上機嫌な顔で洗濯物をたたみ出す 。
家庭教師か …
確かに忙しいバイトじゃないし 、
体動かすわけでもないし 。
中3レベルの勉強ならたぶん教えられる 。
そんで 、お給料貰えるんやもんなー 。
これはおいしい！チャンスやで！
って 、天使の声が聞こえた気がした 。
「 …… うーん … やろっかな 、！」
「 ほんま？ ほんなら永瀬さんに言うとくな！ 」
「 ん 」
こうして即決で決まった家庭教師のバイト 。
今考えてみるとなぜあそこまで軽い気持ちで
家庭教師を引き受けてしまったのか 、
なんとも強い後悔に襲われるわけだけど 。
中3の男の子なんて 、
純粋で無害なもんだと思ってた 。
だから何も問題にしてなかった 。
そんなあたしが甘かったんだ 。
永瀬さん家の家庭教師 。
それがどんなに大変かなんて 、
このときは知る由もなかったのです 。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2540人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「永瀬廉」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
梨菜(プロフ) - 続編お願いします！ (2015年9月1日 3時) (
レス) id: 59f7b61e90 (このIDを非表示/違反報告)
めい(プロフ) - 続編がみたいです！！ (2015年8月27日 17時) (レス) id: 5d15abddd3 (このIDを非表示/違反報告)
あお(プロフ) - この二人が付き合ってからが知りたいので、続編もしくは番外編を書いていただけないでしょうか？？ (2015年8月25日 18時) (レス) id: 6a66c09535 (このIDを非表示/違反報告)
rumi(プロフ) - 赤色ジャス民さん» 「君を呼べば」は現在更新停止中です、、、更新再開まで非公開にしています、すみません…>_<… (2015年8月1日 12時) (レス) id: 74a2f70132 (このIDを非表示/違反報告)
BlueVenus - ニヤニヤしました(/ω＼) (2015年8月1日 8時) (レス) id: cd5d5c1f74 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：なつめ
| 作成日時：2014年1月20日 3時
