廻りに廻って大海原【ONE PIECE】×【呪術廻戦】

7話 ページ8

そういや術式は使えるのだろうか。採血をされながらそんなことを考える。

でもマルコさんは多分非術師だから呪力酔いさせるわけにもいかないし、そもそもこんな狭い船の中で使っていいものじゃない。

ぼんやり天井を見つめていれば、ナースさん(イザベラさんというらしい)がおもむろに私の顔を見始める。

「…寝てた時から思ってたけど、あなたほんとに綺麗な顔してるわね…。目覚めると声が出なくなった、なんてほんとに人魚姫みたい。」

人魚姫みたいにそんな綺麗なものじゃない。もし愛する人を殺さなければ自分が死ぬとなれば、迷わずその人のことをナイフで刺せる気がする。なんて可愛げのない人魚姫だろうか。

呪術師の中で階級が上がってくると、人を殺したことがない術師はいない。誰も死なせたくないなんて綺麗事が通じない世界でもあるから。今日任務で一緒になった術師がひと月経ったら死んでたみたいなことがザラに起こる。

「特にその目、まつ毛も真っ白だから青がよく映えて似合ってるわ。うちのバカども……じゃなくて隊長たちがメロメロになりそうね」

私の目が覚めた時からいてくれたこのナースさんの名前はイザベラさんと言うらしい。金髪のウェーブがかかった髪が綺麗だ。

「みなまで言うなよいイザベラ……アイツらは脳筋だから考えるより先に手が出ちまう」

「学習せずに何回も真正面から敵船に突っ込んで怪我して帰ってくるんですからこっちも困るんですよ」

美人の愚痴ほど怖いものはない。京都校の歌姫先輩もよく悟と傑の愚痴を言ってたっけ。それを私と硝子の2人で聞いてた気がする。





……でも、こういうのっていいな。なんか家族みたいで。

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