【男主】童磨が子供を拾った？ようです【鬼滅短編集】

一目惚れ 2 ページ3

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｢Aを助けて頂くには……どうすればいいですか……？｣

｢どんなことだっていたします！｣


Aには一旦別のお部屋に行ってもらって、両親だけここに残した。
何故かって？まずはこの2人を救って(ころして)あげるためだよ。
でもここで食べるのはなぁ……部屋が血で汚れたら、Aが怖がっちゃうし。


｢ねえ、二人は……Aを救うために、命を失う覚悟はある？ね、ね、どんなことだっていたしますって言ったよね｣


部屋を汚さずに食べるには……まずは先に、毒を盛って殺す。
それから違うお部屋で食べる。うん、我ながらいい考えじゃない？

両親を見遣ると、戸惑うそぶりは一切なくて


｢それであの子が助かるなら……！｣


と、涙を流すばかり。
うーん、いい親子愛！


｢じゃあこれを飲んでね？大丈夫。苦しくも辛くもないよ。俺が救ってあげるからね｣

そう言って用意して置いた湯呑みを二つ、両親の目の前に置く。
これは苦しまないで死ねるのは本当だよ。
だって、死ぬ時に騒がれてAが来ちゃったら困るし……


｢君たち二人の魂を捧げるとね、あの子は助かるんだよ。神様の声が聞こえたから間違いないよ｣


そんなもの、本当は聞こえないけど。
それっぽいことを言えば両親は面白いくらいに信じた。
ありがとうございます、なんて涙を流しながら感謝してくる。
……教祖って楽でいいねぇ。


｢……あの子をどうか……救って……幸せになってね……A……｣


それが、Aの親が残した最期の言葉。
静かに死んでくれてよかった。これでAと二人になれる。

とりあえず両親はその場でぱぱっと吸収しちゃおう。
そして別のお部屋にいるAを迎えに行こう。


俺はうきうきしながらAが待っている部屋に向かった。
こんな気持ちはいつぶりだろう？分かんないや！


｢A！おまたせ……A？｣


部屋に着いたら……Aが倒れていた。
あれ、もしかして死んじゃった？


｢びっくりした、熱を出してるだけかあ……よかったよかった、一安心。今楽にしてあげるからね？｣


慌てたけど熱を出しているだけみたいだ。
でもここで死んじゃったらだめだよ？A。

一人で笑みを浮かべながら、俺は自分の舌を噛んで溢れる血を口に含む。
そしてそのままAに接吻した。

血をあげて、この子を鬼にするんだ。
そうすれば病も治るし、ずっと一緒にいられるだろう？

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