伍ノ章【無限列車編】 ページ3
「こいつはアレだぜ、この土地の主……この土地を統べる者。この長さ、威圧感、間違いねぇ今は眠っているようだが油断するな！！」
そう言いながらプルプルと汽車を見上げる伊之助に、至極冷静な善逸が「いや汽車だよ知らねぇのかよ」とツッコミを入れた。
「汽車以外の何者でもないの。逆にこれが生き物だと思っておるのか伊之助……」
Aも同じような事を言っている。
今度山で猪に育てられ、ロクに人間社会の事を知らないこの子に、色々教えてあげようと固く心に誓ったのもこの時である。
(この場は善逸に任せて、妾は切符でも買いに行こうかの……)
Aはそんな事を考えながらも暴れる伊之助を右手だけで止めていた。完全に汽車へと体当たりをしに行こうとしている。
もうすでに周りには「変な猪頭と変な格好をした妖しい集団」と思われていたので手遅れなのは間違いないが、それでも少しでも目立たぬように。とAなりの判断である。
「この土地の守り神かもしれないだろう。それから急に攻撃するのも良くない」
完全に「ブルータス、お前もか」ならぬ「炭治郎、お前もか」である。
何時もの長男節はどうした！？そして何故いきなりボケに回ったの！？ねぇ！！と言うのが善逸の心境である。尚、ツッコミ役はこの場に
思わずAがハァ―と額に手を当て、溜息を吐いた。右手で。
「あ……」とAが呟くが早いか、伊之助が汽車に頭突きをするが早いか。「猪突猛進！！」という声と共に辺りに「ドーン」と大きい音が響く。
「やめろ恥ずかしい！！」という善逸のごもっともな声も虚しく、笛の音と共に警備員らしき男が二人走り寄って来た。
＿＿マズイ。
Aと善逸はうなずき合い、何のことかサッパリ分かっていない炭治郎と伊之助を担ぎ、急いでその場を離れた。
＿＿
＿
炭治郎の言うとおりに“煉獄さん”という人物を探し、列車の中を歩いていると「うまい！！」という声が辺りに響く。
その声はただの掛け声でもなく、ただ勝手にその言葉の主から零れているだけのものではあったが、何も知らない一般人からすると、骨の髄まで響いてきそうなほどに大きく、そしてどこか威厳のような、他の人間とは恐ろしく違うモノがある声だった。
(あれは確か、柱合会議の時の……)
焔色の髪にギョロリと大きい瞳、そして燃え盛る炎を連想させる羽織。
炎柱、煉獄杏寿郎である。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 280人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
�桟鈬�(プロフ) - Ashleeさん» コメントありがとうございます！すみませんもう少しお待ちくださいませ💦 (2022年7月28日 9時) (
レス) id: 6e9456ced1 (このIDを非表示/違反報告)
Ashlee(プロフ) - 続きが速く見たいです (2022年4月16日 18時) (レス) @page22 id: 730adcd2c0 (このIDを非表示/違反報告)
月縹(プロフ) - ＃きのこさん» わー！ありがとうございます！気長に待って頂けたら嬉しいです(；；) (2021年10月2日 23時) (レス) id: 6e9456ced1 (このIDを非表示/違反報告)
＃きのこ - 更新頑張ってください('ω')ノ 応援しています。(≧▽≦) (2021年9月27日 21時) (レス) @page20 id: c964701d6c (このIDを非表示/違反報告)
�桟鈬�(プロフ) - 藍緋さん» ほんとうですか！？報告ありがとうございます！直しておきますね！ (2020年11月18日 7時) (レス) id: a8b4b5bef5 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
